QPS研究所は、小型SAR衛星10号機 「ワダツミ-I」が撮影した初画像(ファーストライト)を公開。今回の画像は福岡・久留米市をとらえたもので、同社では「私たちの衛星開発を支える重要なパートナー企業も複数拠点を構えており、技術と地域のつながりを感じる場所」と説明している。
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QPS研究所の小型SAR衛星10号機 「ワダツミ-I」が撮影した初画像のひとつ。西日本鉄道 花畑駅周辺のクローズアップ画像では、線路の架線柱、架線ビームまで観測できており、左には電話局の鉄塔が見えている
ワダツミ-Iは米ロケット・ラボのロケットElectron(ミッションネーム:The Sea God Sees)によって日本時間5月17日17時17分に打上げられ、約50分後に衛星分離、続いてその約30分後に初交信にいずれも成功。翌夕には収納型アンテナを展開し、以後は衛星機器の調整を続けてきた。
QPSのSAR(合成開口レーダー)衛星は、分解能1.8mの通常モード(ストリップマップモード)と、分解能46cmの高精細モード(スポットライトモード)で観測可能。ワダツミ-Iは6月6日に高精細モードで初観測を行い、アルウェットテクノロジーによる画像処理協力を経て、福岡・久留米市を詳細にとらえた初画像を公開した。分解能は、アジマス(衛星の進行方向)分解能が46cm、レンジ(衛星の進行と直交する、衛星のマイクロ波を照射する方向)分解能が55cm。