ライフサイエンス/製薬分野対応の協働ロボットを開発
セイコーエプソン(エプソン)は6月3日、製造業に加え、ライフサイエンス分野や製薬業界での活用を見据えた人協働ロボットを開発したことを発表した。
近年、製造業では熟練労働者減少に対する課題意識や生産性向上のニーズが高まっていることに加え、ライフサイエンス分野では高精度かつ再現性の高い作業に加え、コンタミネーション(汚染)を防ぐための厳格な衛生管理が求められるようになっている。また製薬業界や研究所では、繊細な作業を安全かつ清潔に行うことが求められており、どうしたライフサイエンス分野における作業ロボットにも、同様の安全性やクリーン度の実現が求められていた。
軽量・省スペースでさまざまな用途に対応
同ロボットは、そうしたニーズに対応することを目的に開発された、クリーンルーム対応、高精度制御、直感的な操作性を備えた協働ロボット。製造ラインや研究機関での搬送に適した可搬重量6kg・アーム長900mmクラスで、業界トップクラスの本体重量17kgという軽量性と省スペース設計を実現したことで、移設や再配置の容易性を向上。限られたスペースや運用環境の変化に対して柔軟に導入ができるロボットアームであるため、実験室での搬送用途のほか、生産ラインへの組み込みにも対応可能だという。
また、コントローラも44mm×205mm×135mmと小型かつ約6kgという重量であり、モバイルロボットへの搭載や限られたスペースでの設置も容易だとする。
さらに、電源についてもAC100V〜230VおよびDC 48Vに対応しているため、さまざまな設置環境に対応することができるとしている。
このほか、ISO 14644-1 Class 5準拠のクリーン搬送能力とIP54準拠の防塵・防滴性能を標準装備しており、ネジ穴や鋭角なエッジを極力排除した滑らかな外装設計により埃や汚れの付着を防ぐことで、衛生的な状態を保ち、クリーンルーム環境でのコンタミネーションリスクを軽減することも可能だとしている。
日本と欧州で2025年内に販売を開始
なお、同ロボットは2025年内をめどに日本および欧州での販売開始を予定しており、その後も対象地域を順次拡大していく予定だという。