熊本県に半導体関連事業向け拠点を開設

エア・ウォーターは5月27日、熊本県菊池郡大津町に建設を進めていたデジタル・半導体関連事業のグループ複合拠点「エア・ウォーターグループ熊本事業所」を開所したことを発表した。

同社グループは、大型オンサイトプラントやローリーによる窒素ガスなどの供給のみならず、半導体材料ガス・ケミカルや薬液などの供給、材料マネジメントを含む物流サービス、各種半導体材料供給装置・高純度ガス配管・排ガス処理装置・ケミカルリサイクルなどのエンジニアリングおよびメンテナンス、高出力UPS(無停電電源装置)など半導体関連市場の成長を支える製品・サービス群を一括して提供するデジタル・半導体関連事業を展開してきた。

九州の半導体関連産業に製品やサービスを提供

現在、熊本県菊池郡には、TSMCの日本子会社JASMの半導体工場をはじめ、半導体材料や製造装置メーカーなどの企業の工場も建設が進んでおり、今後、エレクトロニクス分野の需要の拡大が期待されている。

同事業所は、そうした今後の半導体製造に不可欠な半導体材料ガス・ケミカルや薬液の供給、各種装置のメンテナンス、材料マネジメントサービスに必要な営業・技術・物流などの機能を集約することを目的に設置された拠点で、半導体デバイスメーカーや半導体関連企業向けに同社グループの製品やサービスをスピーディに提供していく役割を担うという。

初期投資額は約11億円だが、設備増強も視野に

また、今後のさらなる需要拡大を見据えて産業ガス製造プラントの新設、倉庫棟の設備増強も視野に入れていくとしており、高品質の製品・メンテナンスなどのサービスを提供するだけでなく、ユーザーと密接に関わることでデジタル・半導体関連の情報・技術・ノウハウを収集・蓄積し、エンジニアリングや研究・開発へと結びつけ、新製品開発・サービス創出と総合力の発揮によりグループのデジタル・半導体関連事業の拡大を目指すとしている。

なお、エア・ウォーターグループ熊本事業所の概要は以下の通り。

  • 敷地面積:3万4487m2
  • 主要設備:事務所棟(メンテナンス)、一般物・毒劇物倉庫(半導体材料ケミカル、エレクトロニクス向け一般資材)、危険物倉庫(半導体材料ケミカル)、テント倉庫(一般資材)
  • 投資額:約11億円
  • エア・ウォーターグループ熊本事業所

    エア・ウォーターグループ熊本事業所 (出所:エア・ウォーター)