Microsoftは5月22日(現地時間)、Windows 11の標準アプリであるメモ帳、ペイント、Snipping Toolにおいて大規模なアップデートを実施した。これらの更新は、Windows InsiderプログラムのCanaryおよびDevチャンネルのユーザー向けに展開されており、それぞれMicrosoftストアでアップデートできる。
メモ帳で文章の自動生成が可能に
Microsoftは、メモ帳への生成AIの統合を積極的に進めてきた。すでに既存の文章の書き換え(リライト)や要約の作成などが可能だったが、それに加えて今回のアップデートでは何もない状態からプロンプトへの指示で新規に文章を生成することが可能になった。
文章生成は、テキストフィールド内で右クリックして「書き込み」を選択するか、Copilotメニューから同機能を選ぶことで利用できる。また、[Ctrl]+[Q]のショートカットキーでもアクセス可能だ。
起動するとプロンプトを入力するためのダイアログが表示されるので、ユーザーがどのような文章を書きたいのかを自然言語で指示すれば、AIが自動で文章を生成してくれる。生成されたテキストはカーソルの位置に挿入され、そのまま使用する以外に、破棄や再生成を選択できる。
この新機能はメモ帳のバージョン11.2504.46.0以降で使用できる。ただし、利用するにはMicrosoft 365 Personal以上のプランに加入し、AIクレジットを消費する必要がある。生成AI機能が不要な場合は、メモ帳の設定で「Copilot」をオフに切り替えるだけで無効にできる。
ペイントで簡単にカスタムステッカーが作れる
ペイントには生成AIを活用した「ステッカージェネレーター」が導入された。Copilotメニューでユーザーが作成したいステッカーの説明を入力すると、AIが指示を反映してステッカーを生成し、キャンバスに追加できる。
また、AIを使って画像内のオブジェクトを選択できる「オブジェクト選択」ツールも使えるようになった。ユーザーは画像の中にある個々の要素を切り出して、自由に編集や削除ができるようになる。
ステッカージェネレーターとオブジェクト選択が使えるのはCopilot+ PCのみで、ペイントアプリのバージョン11.2504.451.0以降で利用可能となる。
正確なスクショが取れる「パーフェクト スクリーンショット」
Snipping Toolでは、長方形モードのスクリーンショットの撮影時に「パーフェクト スクリーンショット」を利用できるようになった。これはAIが選択難易を自動的に調整して正確にスクリーンショットを取ることができる機能で、画面上のコンテンツに合わせた切り出しが可能となる。パーフェクト スクリーンショットはCopilot+ PCでのみ利用できる。
Snipping Toolにはもうひとつ、画面に表示されたオブジェクトからカラーコードを取得できるカラーピッカーも追加された。カラーコードは16進数、RGB形式、HSL形式のいずれかを選択して取得できる。
これらの機能はSnipping Toolのバージョン11.2504.38.0以降で有効になる。