宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」で発生していた異常の原因について、「姿勢制御に用いる装置の一部停止」だったと明らかにした。再び使用可能な状態であり、5月中に姿勢を立て直してイオンエンジンの運用も開始予定だという。
JAXAのはやぶさ2公式Xアカウント(@haya2_jaxa )が、5月9日に明らかにしたもの。同アカウントでははやぶさ2が何らかの異常を検知し、安全に最低限の運用を継続するための制御モード「セーフホールドモード」に移行していたことを4月2日に報告していたが、1カ月ぶりの続報で異常の原因と現状を明らかにしたかたちだ。
JAXAでは、同機がセーフホールドモードに移行した原因を調査した結果、姿勢制御に用いる「リアクションホイール」(RW)と呼ばれる装置4台のうち、1台の回転が止まっていることが判明。装置が再び使用可能な状態であると確認できたことから、RWを再起動して姿勢を立て直し中。その後、イオンエンジンの運用も開始する予定だ。
JAXAは同アカウントで、「探査機は10年以上使用しており、今後もこのようなことがあるかもしれないが、大事に運用していく。引き続き、温かく見守っていただきたい」と呼びかけている。
はやぶさ2は、2019年に小惑星「リュウグウ」から採取したサンプルを、2020年に地球へ持ち帰った。現在も航行中で、2026年7月には小惑星2001 CC21「トリフネ」(Torifune)のフライバイ探査を行うことが決まっている。
セーフホールドモードに移行した原因を調査した結果、姿勢制御に用いるリアクションホイール(RW)4台のうち1台の回転が止まっていることが判明しました。調査の結果、再び使用可能な状態であると確認できましたので、現在、RWを再起動し、姿勢を立て直しているところです。
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) May 9, 2025
5月中には姿勢を立て直し、イオンエンジンの運用も開始する予定です。探査機は10年以上使用しており、今後もこのようなことがあるかもしれませんが、大事に運用していきます。引き続き、温かく見守って頂けると幸いです。
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) May 9, 2025