GPU、CPUともに好調で利益が大幅増

AMDは5月6日(米国時間)、2025年第1四半期(1~3月期)の決算概要を発表した。

それによると売上高は前年同四半期比36%増の74億3800万ドル、売上総利益率は同3ポイント増の50%、営業利益は同2139%増の8億600万ドル、純利益は同476%(5.8倍)増の7億900万ドルとなったという。生成AIのデータ処理向け半導体(GPU)とクライアント向けCPUの販売増が業績を押し上げたという。

同社の会長兼CEOのLisa Su氏は、「中核事業の堅調な成長と、データセンターおよびAI事業の拡大により、前年同期比の成長を4四半期連続で達成し、2025年の素晴らしいスタートを切った。マクロ経済環境と規制環境は大きく変化しているが、第1四半期の業績と第2四半期の見通しは、差別化された製品ポートフォリオの強みと、2025年の力強い成長に向けた着実な実行力を示している。関税に関する不確実性があり、輸出規制の逆風を受けているのも事実だが、AMDの強力な製品群がもたらす追い風によって相殺できる」と強気の姿勢を見せるほか、近く発売する予定の新製品が2025年後半の押上要因になるとの期待を示している。

  • 2025年第1四半期のAMDの決算概要

    2025年第1四半期のAMDの決算概要 (出所:AMD)

部門別の業績はデータセンター/PCが増収もゲーム/組み込みは減収

同四半期の業績を事業部別で見ると、データセンター向けの売上高はCPU「EPYC」ならびにGPU「Instinct」の売り上げ増により、同57%増の36億4700万ドルを記録した。

一方のクライアント(PC)部門は、売上高が同68%増の22億9400万ドルで、主に最新世代となる「Zen 5」を採用したRyzenプロセッサが好調であること、ならびに製品ミックスの拡充によるものだとする。

また、ゲーミング部門は売上高が同30%減の6億4700万ドルとなったが、これはセミカスタム部門の売り上げが減少したことによるものだという。このほか、組込部門の売上高は同3%減の8億2300万ドルとしている。

なお同社は、2025年第2四半期の売上高見通しについて、ほぼ横ばいの約74億ドル(±3億ドル)との予想を示している。ただし、米トランプ政権の新たな輸出規制に伴い、中国に向けてAI半導体が思うように輸出できなくなるとして、在庫および関連引当金の費用を同四半期に約8億ドル計上するという。加えて、対中輸出規制の影響を踏まえ、2025年12月期として15億ドル分の売り上げが減る見通しを示し、4月より導入された新たな輸出制限措置において、中国向けアクセラレータ「Instinct MI308」が対象に指定されていることを明らかにしている。