Samsung Electronicsは4月30日、2025年第1四半期の決算を発表した。
それによるとスマートフォン(スマホ)「Galaxy S25」や高付加価値製品の販売が好調で、全体の連結売上高は前年同期比10%増、前四半期比4%増の79兆1400億ウォンとなり、四半期ベースでの過去最高を更新したという。また、営業利益も前年同期比1.2%増の約6兆7000億ウォンと増収増益となった。
メモリとファウンドリの低迷で減益となった半導体事業
半導体を中心とするDevice Solutions(DS)部門の売上高は同9%増の25兆1000億ウォンと伸長も営業利益は同42%減の1兆1000億ウォンと増収減益となった。
主軸のメモリ事業の売上高は同17%減の19兆1000億ウォンとなった。サーバDRAMの売り上げ増とNANDの追加需要への対応が追い風となったが、全体的に平均販売価格(ASP)の低下、AI半導体の輸出規制によるHBMの売り上げ減、強化されたHBM3E製品に対する需要の繰り延べなどの影響を受けた結果だという。
第2四半期については、AIサーバの堅調な需要を見込んでおり、12層HBM3E(HBM3E 12H)の増産により、高付加価値市場でのポジション強化を目指すとするほか、NANDについては、全アプリケーションでの第8世代V-NANDへの移行を加速させ、コスト競争力の強化を目指すとしている。
下期については、GPUの新製品投入を踏まえ、強化型HBM3E 12Hや128GB以上の高密度DDR5モジュールなどの販売拡大を進めるほか、モバイルおよびPC向けではAI機能の搭載に向けて10.7Gbps対応のLPDDR5x製品による対応強化を推進するとしている。
一方のシステムLSI事業は、高解像度CMOSイメージセンサおよびLSI製品の供給増加により収益が改善したという。
第2四半期については、大手顧客の新たな主力モデル向けSoC案件や2億画素センサの採用拡大による安定した収益の維持を見込むとする。下期についても主力SoCの供給拡大および高解像度のメインならびに望遠カメラセンサの需要に対応するほか車載向けポートフォリオの拡大を図っていくとしている。
ファウンドリ事業については、季節的なモバイル需要の減速、在庫調整、稼働率の低迷などから収益が低調に推移。ただし、2nm GAAおよび4nmプロセスでAIおよびHPC向け受注を獲得したとする。
第2四半期については、米国におけるモバイルおよび車載向け需要への対応を進めつつ、2nmの生産安定化と収益向上を図るとしている。
このほか、FPD事業を担うサムスンディスプレイ(SDC)の同四半期の連結売上高は5兆9000億ウォン、営業利益は5000億ウォンとなった。モバイルディスプレイは、季節的要因により前四半期で減益となったが、大型ディスプレイは新たなQD-OLED製品の投入で業績が改善したという。
第2四半期については、モバイルディスプレイは折り畳み式などの新製品の安定供給に努めるとするほか、大型ディスプレイについては、新製品の発表によるゲーミングモニター需要の拡大を見込むとする。下期については、差別化技術と製品を通じてモバイルディスプレイの売り上げ拡大を目指すとしているほか、大型ディスプレイについては多様な製品ラインナップでB2C、B2Bともにプレゼンスの強化を図っていくとしている。
なお、同社は2024年に過去最高の年間研究開発費を割り当てていたが、2025年第1四半期も前年同期比16%増の9兆ウォンを投じたとしている。