芝浦電子のTOBを5月2日より開始

ミネベアミツミは5月1日、4月10日付で発表していた温度センサなどを手掛ける芝浦電子の株式公開買い付け(TOB)を5月2日より開始することを正式に発表した。

これは、当初は公開買付前提条件のすべてが充足されたこと、または公開買付者により放棄されたことを条件として、芝浦電子の普通株式のすべての公開買い付けを4月23日をめどに開始するとしていたもので、5月1日までに公開買付前提条件が、いずれも充足されている、または充足される合理的な見込みがあることを確認したことから、5月2日より公開買い付けを開始することを決定したものとなる。

また、アドバンテッジパートナーズ(AP)との間で、APが今回の公開買い付けの買い付け資金の一部を負担することで、APが対象者として資本参画することを目的として、公開買い付け者が所有する対象者株式の10.9%をAPが指定するAPのグループ会社に対して譲渡することを、および今回の取引後における対象者株式の取り扱いについて合意した第二次基本合意書を締結することを合わせて決定したことも発表された。

台湾ヤゲオによる買収への対抗としての友好的買収

すでに芝浦電子側は4月10日付で、ミネベアミツミによる株式の公開買い付けの開始に対して賛同の意見表明を発表している。芝浦電子に対しては、電子部品ソリューションの提供などを行う台湾YAGEO(ヤゲオ)が5月7日よりTOBを開始することを表明しており、ヤゲオはミネベアミツミのTOBの動きを踏まえ、当初のTOB価格としていた4300円から5400円に引き上げる動きを見せていた。

今回のミネベアミツミによるTOBは、このヤゲオのTOBに対抗する友好的買収という位置づけで、ミネベアミツミもTOB価格を当初の4500円から5500円へと引き上げることを決定したという。

複数の株式保有者とTOBへの応募契約を締結済み

なお、すでにミネベアミツミは芝浦電子の株主との間で合計335万9508株、所有割合合計22.28%を公開買い付けに応募する旨の契約を締結済みとしている。具体的な相手先としては、日星電気との間で34万1000株、日星オプトとの間で10万株、日本光電工業との間で6万1226株、埼玉りそな銀行との間で69万5640株、ジェイアンドエス保健サービスとの間で21万3310株、りそなリースとの間で1万3310株の応募契約を締結済みとするほか、4月22日付で、創業家一族より53万6502株を応募することの合意を得たことに加え、三菱UFJ銀行より42万5640株の応募契約を締結。さらに5月1日付で明治安田生命保険相互会社との間で81万800株、武蔵野銀行との間で15万4880株の応募契約を締結済みだという。

ミネベアミツミでは、今回のTOBについて、買い付け予定数の下限を所有割合として50.01%となる753万9900株と設定。買い付け期間の応募株数が下限に満たない場合は応募株券等の全部の買い付けなどは行わないとしている。