ミネベアミツミとオムロンは6月30日、ミネベアミツミが子会社のミツミ電機を通じ、オムロンの野洲事業所内にある半導体・MEMS工場(Fab)およびMEMS製品開発機能を譲り受ける契約を締結したことを発表した。

現在、ミネベアミツミは、アナログ半導体事業としてミツミ電機およびエイブリックが国内外に前工程、後工程ともに2拠点ずつ保有しているが、前工程における生産能力不足解消とIGBT製品の拡大、車載製品対応の強化、微細化の進展といった製品戦略への対応を強化することを目的に、200mm(8インチ)前工程向上の取得の検討を進めてきたという。

今回、譲渡の対象となった野洲事業所の8インチ工場は主にMEMS製品が生産されているが、能力的にはアナログ半導体の製造も可能であり、プロセス、保有技術、規模、オペレーターのスキルなどの点でもミネベアミツミが目指す生産能力増強に資するものと判断のもと、契約に至ったという。

なお、ミネベアミツミでは、事業譲受後、能力拡大のための手始めとして100億円超の設備投資を行うことで、月産約2万枚の8インチウェハ生産体制を構築する計画としているほか、その後も、拡張余地があることから需要などに応じて生産能力の拡大を図っていく予定としている。

また、同工場は、MEMS製品の設計技術と周辺技術を保有していることから、これらの技術とミネベアミツミのMEMSセンサ製品技術を融合させることで、新製品開発によるラインナップ増強、既存製品の高性能化、機能追加などのシナジーも図っていきたいとしている。