SK hynixは4月24日、2025年第1四半期の決算を発表した。
それによると売上高は前年同期比42%増の17兆6391億ウォン、営業利益は同158%増の7兆4405億ウォン、純利益は同4.2倍の8兆1082億ウォンを記録し、売上高と営業利益はともに、過去2番目の高水準となったほか、第1四半期としては過去最高を記録した。
同社は、AIシステムの開発競争と顧客の在庫積み増し需要により、メモリ市場が予想以上に成長。12層HBM3EやDDR5などの高付加価値製品でこの需要に応えることで売り上げを伸ばしたとする。
また、高業績を達成したのは過去と比較して優れた競争力を発揮できているためで、市場調整局面においても高い業績を達成できるよう、事業基盤の強化に注力していく方針としている。
米国の関税政策を中心に世界的な不確実性のもと、需要の変動が懸念されるが、HBMの大口顧客への供給量は1年前に合意されるという特性から、2025年の需要は前年比2倍という従来予測を維持。特に12層HBM3Eの売り上げが増加し、第2四半期にはHBM3E全体の50%以上を占めることが予想されるという。
また、第1四半期にはAI PC向け高性能メモリモジュール「LPCAMM2」の顧客への供給を開始したほか、需要が拡大すればAIサーバ向けDRAMモジュール「SOCAMM2」も供給する予定とする。
NANDについては、収益性重視の事業運営を維持しながら、投資については慎重な姿勢で、大容量eSSDの需要に積極的に対応していく方針だという。
96GB CMM-DDR5は顧客検証完了、128GBの検証を開始
このほか同社は、CXL 2.0に基づくDRAMソリューションとなる96GB CMM(CXLメモリモジュール)-DDR5の顧客検証を完了したことを発表している。
同社によると、同製品をサーバシステムに適用した場合、従来のDDR5モジュール比で容量が50%増、帯域幅が30%向上し、36GB/sの処理速度を実現できるという。これにより、顧客はデータセンターの構築・運用における総所有コスト(TCO)の削減を図ることができるようになるとする。
また、96GB品の検証に続き、別の顧客と共同で128GB製品の検証プロセスを進めているともしている。第5世代の10 nm台プロセスを採用した32GビットDDR5 DRAMを搭載し、ワット当たりの性能を向上している。同社は、この128GB品の検証を可能な限り早期に完了させ、CXL製品ポートフォリオを確立し、顧客にタイムリーなサポートを提供していきたいとしている。
なお、同社はCXL DRAMの開発と並行して、CXLのエコシステムの拡大にも注力しており、2024年9月にはCMM-DDR5に最適化されたソフトウェア「HMSDK」を開発し、Linuxに統合することでCXL適用システムの性能向上を実現したことを発表している。