JR駅のトイレ清掃を効率化するため、三洋化成が開発した"匂いセンサー”「FlavoTone」を使った実証実験が4月から始まっている。匂いセンサーによってトイレの衛生状態を遠隔でリアルタイムに把握し、清掃効率化と利用者の安心感向上につなげるねらいがある。

  • 実証実験のイメージ

首都圏にあるJR駅の清掃業務を担当する、JR東日本100%子会社のJR東日本環境アクセスと、FlavoToneを開発した三洋化成、FlavoToneの事業開発を共同で手がける長瀬産業の3社による取り組み。2024年にも1カ月間の短期実証実験を実施しているが、今回の実証試験は長期にわたり、本格導入に向けた検証を行う予定だ。

今回の実証実験の目的は、トイレの汚れ具合をセンサーで把握し、清掃が必要なタイミング・箇所を最適化して効率化を図ることと、常に清潔なトイレ環境を提供して利用者の満足度を高め、安心感向上にもつなげることの2点。この取り組みにより、少ない労力で高品質な清掃サービスの実現に寄与するとしている。

  • FlavoToneの設置イメージ

JR東日本環境アクセスは、近年の清掃員の不足に対応するため、センサーなどのデジタル技術を活用した業務の省力化(CBM:Condition Based Maintenance)を進めている。

FlavoToneは、人間の鼻と同じように複雑な匂いを識別できるセンサーで、匂い物質を吸着する性質が異なる複数のプローブを搭載。各プローブの電気抵抗変化を測定することで匂いをパターンとして記録し、そのデータを機械学習(AI技術)などによってさまざまな数値処理を行うことで、人の嗅覚と同じように匂いの違いを捉えられるという。

機能化学品の製造販売を行う三洋化成工業は、長瀬産業と共同で匂いセンサーの事業化に取り組み、2023年11月から同センサーを販売。長瀬産業がFlavoToneの販路拡大やマーケティング活動を支援している。同センサーは品質管理や特性比較、モニタリングといった幅広い用途で使えるとしており、販売だけでなくレンタルや受託分析も提供している。