JAXA認定の宇宙ベンチャー・天地人は、衛星データを活用して水道事業を支援するソリューション「天地人コンパス 宇宙水道局」を導入した自治体の事例を4月16日に発表。人口10万人〜20万人規模の自治体において、漏水発見効率は6倍向上し、調査費用は79%削減できたとしている。

  • 天地人が“宇宙水道局”導入事例を発表 漏水発見効率6倍UP、調査費約8割減

宇宙水道局は、約100m四方のメッシュ単位で漏水リスクを5段階で診断し、管路ごとのリスクを診断するシステムを組み合わせることで、水道インフラの状態を細かく把握。より効率的に維持管理することを可能にする。

2023年度に宇宙水道局を導入したある自治体(一般市)では、同ソリューションが示した漏水リスクの高い箇所をもとに調査計画を立て、音聴調査を実施。その結果、126カ所の漏水を発見したという。

リスク評価実施(2023年度)の情報

  • 管路延長:約800km
  • 有収率:88%
  • 市内メッシュ数:3,904メッシュ

計画漏水調査の結果(2023〜2024年度)

  • 市内メッシュ数:1,059メッシュ
  • 漏水発見数:126カ所
  • 人口10万人〜20万人規模の自治体における導入効果

天地人では、以下の3点に注目して導入効果を紹介している。

  • 漏水発見効率が6倍に向上
  • 調査コストの大幅削減
  • 漏水リスクの高い場所から40%(50カ所)の漏水を特定

従来の音聴調査は、道路下などの水道管の漏水の有無を実地で確認するもので、この方法では10kmあたり平均0.7カ所しか発見できなかった。宇宙水道局の技術を併用すると、同じ10kmあたりで4.2カ所の漏水を発見でき、発見効率が6倍に向上したとアピールしている。

コスト面では、従来は漏水1カ所あたり約86万円という調査費用がかかっていたのが、宇宙水道局の技術で約18万円まで削減できたとし、宇宙水道局の費用と音調調査を含めても79%削減を実現したとのこと。

このほか、漏水のリスクが高いエリアを優先して調査できるような工夫も行っており、限られた資源で最大の効果を得られるのも特徴だとしている。

  • 宇宙水道局のサンプル。図上で最も高いリスクを示す赤いE評価エリアは全体面積の3%だが、発見された漏水の10%(12カ所)を占め、次にリスクが高いオレンジのD評価エリアからは、全体面積の17%から全漏水の30%にあたる38カ所が発見された。両エリアをあわせた面積(全体の2割)から、全漏水の4割にあたる50カ所の漏水を特定できたという結果は、「漏水リスク診断の有効性を明確に示している」(天地人)とのこと