【株価はどう動く?】「トランプ関税」で日本の株価は二番底確認、トランプ政策が本番に突入へ

日本の株式市場に 二番底は入ったか?

※本稿は2025年4月3日に執筆したものです。

 前回、2025年3月は攻防の分岐点であり、日米の株価は下に放れましたが、それが底入れになる可能性があると解説しました。底入れすると、いかなる株も、特にいい材料がなくても上昇します。

 その後見ていると3月11日の3万5987円が当面の底値となって、株価は反転上昇しつつありましたが、3月28日にニューヨークダウが大幅安になったのを受けて、週明けの3月31日、東京株式市場はほぼ全面安となり、ザラ場で何と1500円超安の3万6000円割れとなり、安値を更新してしまいました。

 おそらく、3月31日が陰の極近しで二番底が入るのではないかと見ていましたが4月2日、トランプ大統領が貿易相手国に相互関税を課すと発表。

 日本には24%、全ての国に10%としたために、翌3日は日経平均株価が暴落、昨年8月以来の3万5000円割れとなって、二番底確認へという動きになっています。

 もし、ここで二番底が入るようなら日柄調整を経て、3万5000円から4万円というボックス相場の壁、4万円を突破してくる可能性が高まります。24年7月11日の4万2426円は日経平均の歴史的新高値です。

 日本では戦後、6回の大相場がありました。多くは出発点から数倍になりましたが、最も値上がりしたケースは6倍でした。今回の長期波動の出発点は、09年3月10日の安値、7054円です。これは前年のリーマンショックを織り込んだ安値でした。

 7054円の6倍が4万2000円台です。24年7月11日の高値は、戦後最も値上がりした時と同じくらいの水準だということです。ですから屋根は高く、なかなか抜けないのです。

 今回の相場では、24年7月の高値が、1989年12月末のバブルの高値、3万8915円に対してダブルトップ、二番天井となり、歴史的な大天井なのではないかという弱気の見方もあります。

 もしそうならば、24年7月の高値はなかなか抜けないということになります。もし、歴史的大天井でないなら、日柄調整を経て、24年7月の高値を奪回、あるいは突破することになります。

 もし突破するなら、日本の株式市場では、かつて経験したことのないような新しい上昇相場、前人未踏の大相場が始まる可能性があります。

 波動から見ると、24年7月高値を突破した後には5万円、6万円、7万円、8万円という上昇の可能性が出てきます。なぜなら、過去に目標値がないからです。株価の波動は、個別銘柄も含めて、上がる時には当面は過去の高値を目指し、下がる時には過去の安値を目指します。

 今回は戦後6回目の大相場並みに値上がりしていますから、24年7月の高値は歴史的な大天井で、これを抜け難いという見方もあります。株式市場に対して弱気な人が多いのは、この理由からです。

 一方で、前人未踏の大相場が始まる前の踊り場、調整局面だという見方もあります。この場合には日柄が十分だとなれば、新しい買い材料が出てきて、7月高値を突破し、新しい上昇相場が始まることになります。

 今、どちらのコースなのかはわかりませんが、先行きの手がかりを探したいと思います。しかもそれはファンダメンタルズからでは予測が難しく、波動からしかわからない状況です。

 波動で言うと、24年7月11日の後の安値は8月5日の3万1156円でしたが、この時は強烈な下げでしたから、ここで相当数の人たちが「投げた」ということです。  

 当面、7月11日の高値を抜けない場合には、もう1回8月5日の3万1156円に向かって落下して、二番底が入ります。4月3日の暴落が、これに該当しそうです。

 4月3日現在は悲観シナリオの展開になっていますが、今後、万博が始まり、5月には上場企業の好決算が予想されています。7月には参院選がありますが、「選挙は買い」と言われています。

 また、今後も日銀がどこかで利上げを行ってくる可能性が高いですが、このことはかなり株価に織り込まれたと見ています。なぜなら、一時円高に動いていた円ドル相場がやや円安になってきているからです。ただ、トランプ関税ショックで先行きは不透明です。

 25年3月期の企業業績が予想以上に良ければ、日本の株価はいずれ近い将来、反転上昇の動きになるものと予想しています。今の日本の株安は次の上昇相場の踊り場、底固めの時期と見ています。

 ただ、今後も日本及び世界経済の行方を左右するのは米トランプ政権の政策です。

 トランプ大統領は各国に関税をかけるということで、各国の景気を悪化させるとともに、米国の景気も悪化させるのではないかと懸念されており、株式市場の波乱要因になっています。

 しかし、日柄から考えると、25年1月20日にトランプ大統領が就任しましたが、就任から100日はどの大統領も「試運転」で、政策を固める時期であり、優先順位の高いものから手掛けてきていると思います。

 トランプ政権にとって、優先順位が高いのは、貿易赤字の解消、債務の削減で、外には関税、内にはDOGE(政府効率化省)を使ったコストカットを進めています。

 4月30日には就任100日を迎えるわけですが、ここが相場の転機になるかもしれません。この100日は「トランプユーフォリア時代」で、株式市場も世の中も、トランプ大統領のいい点も悪い点も織り込んで陶酔感に浸った時期でした。

 100日が終わり、いよいよトランプ政策の本体が見えてきます。米国は外にも内にも無駄を省き、企業で言えば財務内容改善を目指しています。そして景気回復、株価上昇、2~3%の適度なインフレを目指して、法人税や所得税減税などの手を打ってくるものと見ています。

 そこで、トランプ時代の株式投資の有望テーマは①防衛関連、②金融関連、③資源関連、④暗号資産関連などです。