2月単月売上高が過去最高を更新

Semiconductor Industry Association(SIA:米国半導体工業会)は4月4日(米国時間)、2025年2月の世界における半導体売上高が前年同月比17.1%増、前月比2.9%減の549億ドルとなり、2月としての過去最高値を更新したことを発表した。

SIA社長兼CEOを務めるジョン・ニューファー(John Neuffer)氏は、「月次の売上高は前月比で若干のマイナスとなったものの、前年同月比では力強い成長を果たし、2月単月で見た場合は過去最高額を更新した」と、半導体市場の成長が続いていることを強調している。

  • 半導体の月間売上高推移

    半導体の月間売上高推移 (出所:WSTS集計、SIA作図)

市場成長のけん引役は依然として米国

また、「(前月比は3か月連続でマイナスを記録したものの)前年同月比は(2024年5月の同19.3%増以降)10か月連続で17%以上の伸びを記録(2024年4月は同15.8%増)しており、そのけん引役は同48.4%増を記録した米州」ともしており、AI半導体に対する高い需要が引き続き米国を中心に続いていることを示唆している。

前月比ではすべての国・地域でマイナス成長を記録

国・地域別で見ると、前年同月比ではその米州が同48.4%増、アジア太平洋/その他が同10.8%増、中国が同5.6%増、日本が同5.1%増、欧州が同8.1%減となっている。また、前月比では米州が同4.6%減、アジア太平洋/その他が同0.1%減、中国が同3.1%減、日本が同3.1%減、欧州が同2.4%減と軒並みマイナス成長を記録している。

  • 2025年2月の月間売上高の概要

    2025年2月の月間売上高の概要 (出所:WSTS/SIA)

米国のトランプ大統領はさまざまな製品に対する関税引き上げを進めており、半導体に対しても近く発表するとしているが、米国の半導体メーカーの大半が前工程(ウェハ製造)を米国内で行っても、後工程(パッケージング工程)については米国外で行っており、またそれらがさまざまな電子製品に搭載され、それらに関税が課されることを考えると、わずかであるが前月比で3か月連続のマイナス成長を記録している点も踏まえて、今後の半導体市場の動向がどうなるのか、注視する必要があるとみられる。