浜松ホトニクスは3月26日、半導体製造・検査装置向けなどを中心に活用される光半導体素子の後工程の生産能力増強を目的に建設を進めてきた新貝工場の新棟(新貝工場3棟)が完成したことを発表した。

新棟は2025年5月より稼働を開始する予定で、これによりイメージセンサをはじめとする光半導体素子の生産スペースが拡張されることとなる。また、2つの既存棟と新棟を接続し、新貝工場のクリーンルームを一体化することで、人や物の移動を効率化し生産性を高めるとともに、デジタルトランスフォーメーションによる製造工程の自動化と省人化も図るとしている。

また、新棟は、事業継続計画に基づく地震対策や水害対策を建物構造に取り入れることで災害対策を強化するとともに、断熱構造や太陽光発電設備などの環境対策を取り入れた設計を採用したとする。

なお、同社では前工程についても本社工場に200mm(8インチ)ウェハに対応する新棟の建設を進めており、こちらは2026年9月期より稼働させる予定としている。同社では、今回の投資を含め、後工程の生産能力拡充を進め、生産体制の強化を図っていくことで、10年後に光半導体事業の売り上げを倍増させることを目指すとしている。

新棟(新貝工場3棟)の概要

  • 建物面積:3823m2
  • 延床面積:1万3343m2
  • 施設構成:1~3階が光半導体素子の組み立て工程(クリーンルーム)、4階が工程設計事務所および検査工程(屋上には自家消費のための太陽光発電施設を設置)
  • 総工費:約75億円
  • 収容人員:約100名
  • 生産能力:約300億円(売上高換算)
  • 新貝工場3棟

    新貝工場3棟の外観 (出所:浜松ホトニクス)