ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)は、米国ファブレス半導体メーカーのAmpere Computingの全持分を総額65億ドルで取得することで、Ampereおよび同社の特定の持分保有者と合意したことを3月20日に発表した。

Ampere Computingは、2017年にIntelのサーバCPUに関わってきたエンジニアたちが立ち上げたArmコアのサーバCPUなどを手掛ける企業で、ソフトバンクGの説明によると、現在、約1000人の優れた半導体エンジニアを抱えているという。また、ソフトバンクGでは、この取引について、自社の広範な戦略的ビジョンおよびAI・コンピューティングにおけるイノベーション推進へのコミットメントに沿ったものであると説明しており、グループ企業、投資先、取引先を含む広範なエコシステムと連携していくことが期待されるとしている。

さらに、戦略的な連携によってArmの設計力を補完する形で、Ampereの専門知識を統合することも期待できるようになるともしている。

同取引はソフトバンクGの子会社であるSilver Bands 6 (SB6)が、一部の売主から、Ampereの持分を保有する(または今後保有する予定である)特定のエンティティ(持分保有エンティティ)にかかる持分のすべてを取得した後、この取引のために設立されたSB6の完全子会社であるSummit BrightがAmpereに吸収合併される方法(逆三角合併)により実行される。合併後の存続会社はAmpereとなり、合併の効力発生時点のAmpereの持分保有者(持分保有エンティティを除く)には現金対価が交付される一方、存続会社であるAmpereがソフトバンクGの間接的完全子会社となるという。

なお、この取引についてはソフトバンクGの取締役会で承認されているものの、米国における競争法上の承認、対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)による承認その他監督官庁の通常の承認、そして、誓約事項があらゆる重大な点において遵守されていること、Ampereへの重大な悪影響が発生しないこと、特定の雇用関連の事項等、その他の前提条件の充足(または放棄)が条件となっており、取引の終了については、2025年後半に完了することが見込まれるとしている。