NECは3月19日、JAXAの宇宙戦略基金の採択および補助金交付決定を受けて、光通信衛星コンステレーション構築に向けたシステム実証および光ルータ基盤技術開発を開始したと発表した。
また、この技術開発ならびに事業化を加速するため、4月1日付けで新組織「衛星コンステレーション統括部」を設置する。
技術開発の背景
国際情勢が大きく変化し、経済安全保障の重要性が増す中、通信インフラにおける強靭性(レジリエンス)とセキュリティの確保が重要な社会課題となっている。
このような課題に対応するためには、レジリエントかつセキュアであり、地上ネットワークからの独立・並立を可能にする、複数の低軌道衛星を衛星間光通信で接続・連携させる光通信衛星コンステレーションが必要。
光通信衛星コンステレーションによる通信ネットワークにおいて、光通信端末は物理的な帯域幅を提供し、ルータは相互接続性、高速性、安定性などの通信品質を決定づける。
取り組みの内容
基金の採択を受けて、NECはすでに開発を進めている衛星間光通信技術に加え、5Gに係る技術開発を通じて培った知見も生かし、宇宙光通信ネットワークを支える光ルータ基盤技術の開発に取り組む。
2026年度末までに必要な技術開発を完了し、2027年度末までに必要な技術の地上実証を実施するのに加え、光ルータ基盤技術を含む宇宙光通信ネットワーク機能を搭載した低軌道衛星を2029年度末までに複数打ち上げ、光通信衛星コンステレーションによるネットワークシステムを軌道上で実証することを目指す。