AMDは3月14日(米国時間)、IDCと共同で米国、英国、フランス、ドイツ、日本の1000人以上の従業員を抱える企業のITリーダー(マネージャー以上)を対象としたグローバル調査レポート「Accelerate Your Organization’s AI Strategy by Deploying High-Performance AI PCs」を公開した。
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調査レポート「Accelerate Your Organization’s AI Strategy by Deploying High-Performance AI PCs」の表紙 (提供:AMD/IDC)
同レポートは、ITの意思決定者(ITDM、IT Decision-Makers)が直面する課題や、AI PCの本格的な出荷に伴うAI戦略の変化についての調査報告で、中でもAI PCについては、82%のITDMが2025年末までに導入する予定であると回答するなど、買い替えサイクルが加速していることが示されたという。
タイミング的にもWindows 10のサポートが2025年10月14日に終了する見通しである点もあるが、そうした動きを踏まえIDCでは、ビジネスシーンにおけるAI PCの採用が今後数年間で急速に増加すると予測しており、2028年までに出荷されるPCの93.9%がAI PCになると予測している。
また、そうしたAI PCの導入促進の前提として、企業内でのAI活用について、回答者の95%がすでに何らかの形で使用していると回答。上位には文書の要約、コンテンツ作成、サイバーセキュリティおよび不正検知などがランクインしている一方、翻訳や自然言語理解は使用頻度が低いという回答結果となったという。ただし、回答者の97%は、組織全体にわたる広範なAI導入が有益であるとしている点がポイントで、調査レポートでは、クラウドベースのサービスとデータ処理に一方的に依存する場合と比較して、AI PCはパーソナライズされたエクスペリエンス、強化されたプライバシー、およびセキュリティリスクの軽減を提供することが期待されるとしており、AI PCの普及により、ハイブリッドAIモデルと呼ばれるエッジでのAI処理とクラウドでのサービスの長所を組み合わたAI活用が可能になるとする。
このほか、クラウドAI導入における障壁として32%の回答者がセキュリティリスクと回答しているが、この値は前回(2023年)の調査で示された67%という値の半分ほどまで低下したとする。また、AI PCによる生産性向上への期待については、全体調査のにAI全般が生産性を向上させると考えたITDMの割合である67%を上回る76%となっており、AI PCが従業員に良い影響を与えるとの考えが浸透していることを示す結果となったという。
なお、調査レポートでは、企業顧客がISVとハードウェアベンダの両方と連携して、パートナーがAIを統合する計画と、まもなく利用可能になる機能やエクスペリエンスについて理解することが推奨されており、その背景には、MicrosoftがCopilot+ PCに統合するAI機能から、コンテンツ作成アプリケーションやオフィススイート向けに計画されているさまざまな機能強化まで、将来のエンドユーザーはさまざまなユースケースやアプリケーションでAIに遭遇することになるためだとしている。