Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は3月6日(欧州時間)、今後数年以内に自動車産業向けにRISC-Vベースの新たな車載マイクロコントローラー(マイコン)ファミリーを立ち上げる計画を正式に発表した。
この新たな車載マイコンファミリーは、同社の車載マイコン「AURIXシリーズ」の1つとなる予定で、これにより「TriCore(AURIX TCファミリー)」および「Arm(TRAVEOファミリー、PSOCファミリー)」で構成される同社の車載マイコンポートフォリオが拡張されることとなる。
RISC-VベースのAURIXファミリーは、エントリーレベルのマイコンから、現在の市場で使われている性能を超える高性能マイコンまで、幅広い車載アプリケーションを網羅する予定で、同社では3月11日~13日にかけて独ニュルンベルクにて開催される「Embedded World 2025」において、同社のパートナーがプレシリコン段階でソフトウェア開発を開始するためのスターターキットとして、主要なエコシステムパートナーによるバーチャルプロトタイプを紹介する予定だとしている。
同社のオートモーティブ事業部プレジデントを務めるピーター・シーファー(Peter Schiefer)氏によると、同社はRISC-VをSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)時代に求められるリアルタイム性能、安全でセキュアなコンピューティング、柔軟性、拡張性、ソフトウェアのポータビリティなどの複合的な要件に対応可能なアーキテクチャとして、自動車業界のオープンスタンダードにすることをコミットしているという。
なお、、RISC-Vベース製品の商用化に向けた動きは、同社のほか、Robert Bosch、NXP Semiconductors、Qualcomm Technologies、Nordic Semiconductor、STMicroelectronicsが株主に名を連ねる合弁会社Quintaurisを通じて、各社と協力する形で進めているとする。また、Embedded World 2025で披露される予定のバーチャル プロトタイプ スターター キットは、Synopsysのツール群をベースとしたものとするほか、IAR、Elektrobit、Green Hills、HighTec、Lauterbach、PLS、Tasking、Synopsysといったパートナーがソフトウェア開発キットの利用を開始しており、2025年中にはさらに多くのパートナーがソリューションの提供を開始する計画だとしている。