京セラは3月3日、積層セラミックコンデンサ(MLCC)として、1005サイズ(1.0mm×0.5mm)ながら静電容量値47μFという高容量を実現した製品「KGM05シリーズ」の開発に成功したことを発表した。

MLCCはさまざまな電子機器に搭載されて活用されるが、実装される基板スペースは限られており、小型化と高容量化の両立、ならびに発熱などの過酷な温度環境下に対する高い信頼性の実現が求められている。

今回、同社が開発した1005サイズのMLCCはスマートフォンやウエアラブル機器に多く採用されているサイズで、独自の材料技術およびプロセス技術を活用することで、誘電体および内部電極のさらなる薄層化を実現したことにより、1個当たりの容量を従来製品(22μF)比で約2.1倍の47μFに拡大することに成功。これにより必要容量の確保と部品点数の削減が可能となると同社では説明しているほか、製品によっては105℃までの高耐熱性も確保しており、AIサーバーなどの過酷な温度環境下における高信頼性も実現したとする。

また、同社によると、これまでの1005サイズのMLCCは、同社の従来製品が最高容量値であったが、同シリーズの発売により、13年ぶりに最高容量値を更新したとなるという。

なお、同シリーズは使用温度範囲が-55~+85℃で定格電圧4Vdcの「KGM05DS50G476MH」、同温度範囲で定格電圧が2.5Vdcの「KGM05DS50E476MH」、使用温度範囲が-55~+105℃で定格電圧が2.5Vdcの「KGM05DS60E476MH」という3製品がラインナップ。同社の鹿児島国分工場で生産され、2025年3月からのサンプル対応、ならびに2025年12月からの量産開始を予定している。

  • KGM05シリーズ

    KGM05シリーズの外観 (出所:京セラ)