Texas Instruments(TI)は、放射線耐性に優れたハーフブリッジGaN FETゲートドライバの新製品ファミリを発表した。
同製品ファミリとしては宇宙グレードに対応した22V品、60V品、200V品の3シリーズに分けられ、それぞれにプラスチックパッケージでQML(Qualified Manufacturers List:認定取得済みメーカーリスト)Class P、放射線耐性を備えた宇宙用強化プラスチック(SEP)製品、そしてセラミックパッケージでQML Class Vの認定をそれぞれ取得した耐放射線特性製品が用意され、合計9製品が提供される。
これらのデバイスは、ピン互換を有しており、エンジニアは単一のチップサプライヤだけで、衛星電源システムをあらゆる種類の宇宙ミッション用途に設計できるようになると同社では説明しているほか、GaNテクノロジーを活用してサイズ、重量、電力(SWaP)を最適化することで、電気システムの性能向上、ミッションの稼働期間の長期化、衛星の質量と体積の削減、熱管理負荷の最小化などのメリットを得られるとする。
これにより、例えば200V GaN FETゲートドライバでは、推進システムやソーラーパネルの入力電力変換に適用することで、メリットを得られるとしている。
なお、9製品のうち、セラミックパッケージの200V品「TPS7H6003-SP」、同60V品「TPS7H6013-SP」、同22V品「TPS7H6023-SP」、ならびにSEPの200V品「TPS7H6005-SEP」の4製品はすでに量産対応の注文が可能となっているほか、SEPの60V品「TPS7H6015-SEP」および22V品「TPS7H6025-SEP」は量産開始前の数量での注文が可能となっている。残りのQML Class P対応の200V品「TPS7H6005-SP」、60V品「TPS7H6015-SP」、22V品「TPS7H6025-SP」については、2025年6月以降の注文対応となるとしている。