島津製作所は2月12日、同社が提供する紫外可視分光光度計(UV)の「UV-i Selection」の後継機として、「UV-1900i Plus」「UV-2600i Plus」「UV-2700i Plus」の3機種を、同日より国内外で発売することを発表した。

  • 新製品「UV-1900i Plus」

    新製品「UV-1900i Plus」(出所:島津製作所)

  • 新製品「UV-2600i/2700i Plus」

    新製品「UV-2600i/2700i Plus」(出所:島津製作所)

UVとは、可視光や紫外線が物質を通過すると光エネルギーの一部が失われる現象(光エネルギー吸収)を利用し、物質の化学構造や試料に含まれる成分の濃度を調べる分析装置で、大学などの研究機関や化学・製薬企業を主としてさまざまな分野で使用されてきた。しかし昨今では、同装置の操作に習熟したユーザーが減少するのに伴い、「より手軽に信頼できるデータを取得したい」というニーズが高まっているという。

これまでUV製品群としてUV-i Selectionを展開していた島津製作所は、新たな需要に対応した後継機として今般3製品を発売した。同製品は従来機種からハードウェアが改良され、検出する波長を正しく再現できる「波長繰り返し精度」や「ノイズレベル」などの性能を向上。これにより微量の物質も高感度で検出し、より正確な分析データの提供が可能になったとする。

また同社製UVとして初めて、装置を自動でスリープ・起動するシャットダウン・ウェイクアップ機能や、確認ウィンドウの表示で誤操作を防止するアシスト機能を搭載したとのこと。特にUV-i 1900i Plusでは、装置起動時に自動で性能確認を行う「スタートアップバリデーション機能」も搭載され、操作知識や経験の浅いユーザーでも安定したデータ取得が可能になるとしている。

そして、従来機種でも搭載されていた、事前に登録した条件によって自動で合否を判定するスペクトル評価機能についても、機能拡張を実施。試料中の各成分の含有量を定量分析し、規定値内か否かを判定できるようになったという。さらに、試料の色を数値化する尺度(ハーゼン単位色数)の計算が可能なうえ、解析結果の改ざん防止のためデータインテグリティに関する規制にも対応したといい、化学・製薬分野の原材料検査で用いられる定量や色評価も安心して実施できるとした。

なお島津製作所は、新製品の国内外における販売目標として、2025年度内に3機種合計で5300台の販売を目指すとのこと。同社はこの新製品を通じ、ユーザーの業務効率向上や信頼性の高い分析データの提供に寄与することで、重点領域として掲げるヘルスケアやGX分野の研究開発・品質管理に貢献するとしている。