三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズは、ターボ冷凍機とその周辺機器である冷水ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔などを一括制御する熱源総合制御システム「エネコンダクタ」の新機種として、最大8台のターボ冷凍機の制御できる「EC-8」を追加し、2025年春に市場投入する。
EC-8は、1次冷温水ポンプまたは冷却水ポンプを、ターボ冷凍機などの熱源機に個々に配管で接続して冷温水または冷却水を供給する“個別ポンプ方式”に加え、1台ないし複数の1次冷温水ポンプまたは冷却水ポンプを、共通配管で集合させてから複数のターボ冷凍機などの熱源機に分岐させ、必要に応じて冷温水または冷却水を供給する“共通ポンプ方式”にも対応。
機械やセンサーなどが情報を交換するための通信プロトコルには、「Modbus」に加えて「BACnet」を新たに搭載したことで、上位監視制御装置との間でリアルタイムにデータを送受信可能になり、制御の即応性が向上。配線(信号線)も少なくすみ、施工管理も容易だという。
上記の仕様を追加したことで、海外市場で導入可能な設備の幅が広がったとする。なお、共通ポンプ方式の機種は、東南アジアや中東などで広く採用されているとのこと。
エネコンダクタは、ターボ冷凍機メーカーならではの運転制御ノウハウを搭載し、ターボ冷凍機の台数や冷水・冷却水変流量の制御など省エネ性の高い制御機能をパッケージ化した製品。このパッケージ化により、空調設備全体の最適な運転判断を自動的に行い、消費電力を最大で26%削減できるとする(700冷凍トンの「JHT-Y75I」×3台のみの場合と、これらにエネコンダクタを導入した場合の比較)
また、個別のシステム設計や設備工事の作業負担を軽減することができて導入しやすく、既存設備への追加設置も可能なため、設備を更新しなくてもエネコンダクタを導入すれば、さらなる省エネ化を追求できるのも特徴としている。