富士フイルムは2月5日、半導体材料事業の拡大に向けて、ベルギーの生産拠点において、半導体材料であるCMPスラリの生産設備を新たに導入するとともに、フォトリソグラフィ周辺材料の既存設備を増強する計画を発表した。

今回の欧州での設備投資は、今後、車載半導体や産業用半導体を中心に伸長することが期待される欧州半導体市場に向けた製品供給能力の拡大を図ることを目的としたもの。半導体材料の欧州現地法人であるFUJIFILM Electronic Materials (Europe)が、約40億円をかけて生産能力の拡大を進めることが予定されている。

すでに同社は米国アリゾナ州、台湾の新竹市および台南市、韓国天安市、熊本県菊陽町に既存のCMPスラリ生産拠点を有しているが、ここに新たにベルギーに生産拠点を加え、世界6拠点生産体制とすることで、CMPスラリのさらなる安定供給を実現するという。

同社は2024年度から2026年度の3年間で、研究開発と設備投資をあわせて1700億円の成長投資を計画しており、日本の静岡、韓国の平澤の拠点における先端レジストの開発・生産・品質評価機能の強化や、熊本の拠点におけるCMPスラリの生産設備の増強など、矢継ぎ早に設備投資を行っていくことで、半導体材料の生産能力拡大を進めてきている。

なお、ベルギーに導入されるCMPスラリの生産設備ならびに増強する現像液の生産設備の稼働開始は、いずれも2026年春を予定しているという。