トナリズムは1月9日、半導体業界に特化した人材紹介事業を開始したことを発表した。

経済安全保障の観点から、自国での半導体製造に向けた取り組みが各国で進められており、日本でも例外ではないが、急激な世界的な半導体需要の拡大の一方で、半導体の専門人材の不足が危惧されている。特に日本では、製造面における技術進歩がロジックを中心に停滞していたこともあり、先端プロセスをはじめとする技術の進歩に対応できる高度なスキルを保有する人材が不足している。

同社では、そうした日本の半導体産業が抱える課題に対し、適材適所で活躍する人材を増やすことで、業界全体を進化させ、日本を再び世界のトップに押し上げるという思いから、半導体業界に特化した人材紹介事業を立ち上げることを決定したという。

同事業では、半導体開発、製造、販売にわたる幅広い経験をもとに、業界特化型の人材紹介サービスを提供することで、企業の具体的なニーズに応じた最適なマッチングを行っていくとするほか、単なるスキルの一致に留まらず、企業文化や求職者のキャリア志向を重視することで採用後の高い定着率を目指したフォローを実施するともしている。また、求職者にとってはキャリアの成長を、企業にとっては持続可能な成長を実現するため、双方と長期的な信頼関係を築くためのキャリアサポートにも取り組んでいくともする。

なお、同社の代表取締役を務める新川裕也氏は今回の取り組みに対して、「トナリズムは、これまで半導体商社として培った経験を活かし、日本の製造業を再び世界のトップに押し上げるため、新たな挑戦を始めます。半導体は、未来の社会を形作るテクノロジーの基盤です。スマートフォンや自動車、AIといった分野に欠かせない存在であり、その需要は日々拡大を続けています。しかし、その発展を支えるための専門人材の確保は、日本のみならず世界的な課題となっています。半導体業界で10年以上働いてきた中で、『適任者がいればもっと挑戦できるのに』という顧客の声や、『自分のスキルを活かせる場所がない』という求職者の悩みを何度も目の当たりにしてきました。この状況を変えることこそ、日本の競争力を取り戻す鍵です。私たちが目指すのは、単なる人材紹介ではなく、企業と人材が共に成長できる場をつくること。トナリズムならではの知見とネットワークを活用し、半導体業界の進化を支える新しい価値を提供していきます。」とコメントしている。