ソニーは、3DCGを使った空間コンテンツ制作に携わる幅広いクリエイターを支援する、ソフトウェアとハードウェアを統合した新しいソリューション「XYN」(ジン)を、米ラスベガスで開催中のCES 2025に合わせて発表した。同社が培ってきた独自技術を活かし、業界標準のさまざまな制作ツールに対応することで柔軟なワークフローの構築を追求。CESではXYNの世界観が体験できるエリアを設ける。
XYNの第1弾の取り組みとして、ソニーのモーションキャプチャー「mocopi」のセンサー12個を活用できる、Windows版PCアプリ「XYN Motion Studio」を3月下旬に提供開始。Microsoft Storeで販売し、価格は月額1,100円。
mocopiは6個のセンサーを同梱した製品だが、2セット用意してXYN Motion Studioとmocopi PCアプリケーションを使い、専用レシーバーとして同時期に販売予定の「mocopiセンサーデータレシーバー」(QM-PR1、16,500円)を介して、12個のセンサーを接続するプロフェッショナルモードを活用することで、より高精度モーションキャプチャーを実現。
また、アプリ上での編集機能などを付加することで、これまで費用面や設備面でハードルが高かったモーションキャプチャーを、映像制作など多様な分野の幅広いクリエイターに扱いやすい形で提供していく。センサーを装着するためのバンド「mocopiセンサーバンド」(QM-PB1、9,900円)も用意する。
なお1月17日~18日には、東京・秋葉原コンベンションホールで同製品群の先行体験会を開催予定だ。
ソニーではこのほかに開発中のソリューションとして、ミラーレスカメラで撮影した画像と独自アルゴリズムを用いて、現実の物体や空間から高品質でフォトリアルな3DCGアセットを作り出す「XYN 空間キャプチャーソリューション」と、直感的な空間コンテンツ制作に活用できるXRヘッドマウントディスプレイ「XYN Headset」を発表している。
XYN 空間キャプチャーソリューションは、映画やゲームの小道具、メタバースの空間背景など、3DCG制作ワークフローを効率化するものとして提案。ミラーレスカメラの撮影状況をリアルタイムに可視化し、効率的な撮影を支援するモバイルアプリも含む。
XYN Headsetは、画質を高めた4K OLEDマイクロディスプレイを搭載し、ビデオシースルー機能を備えたもので、工業デザインなどの産業分野だけではなく、プリビジュアライゼーション(事前映像化)や3Dキャラクター生成といったエンタテインメントを含む、さまざまな領域で使われている3D制作ソフトウェアへの対応を予定。Sony Pictures Animationとの実証実験を行っているとのこと(搭載するディスプレイで実際に描画できる解像度は、アプリケーションや使用環境により異なる)。