キヤノンマシナリーは11月26日、同社のダイボンダー「BESTEMシリーズ」の最新製品となる300mmウェハ対応IC/LSI用ダイボンダー「BESTEM-D610」を発表した。

  • 300mmウェハ対応IC/LSI用ダイボンダー「BESTEM-D610」

    キヤノンマシナリーの300mmウェハ対応IC/LSI用ダイボンダー「BESTEM-D610」

同装置は、同社の汎用IC向けダイボンダー「BESTEM-D510」の後継に位置づけられており、1時間あたりのボンディング回数(UPH)を従来機比で10%向上された。これにより1秒間に5.5個のチップをボンディングできるようになったほか、ユニットの剛性を1.5倍に強化したことで、高速動作時でも振動を抑え、直線描画性能が引き上げられ、従来機比で3倍の速度で塗布しても安定した動作を実現したという。また、熱膨張による搭載位置精度の低下を自動で補正する機能など、さまざまな稼働中の変化に対応する補正機能を採用することで、連続稼働時間を従来機比で3倍に伸ばすことを実現し、24時間当たりの生産性を最大35%向上させることができるようになったとする。

さらに、ボンディング精度は従来機の±25μm 3σから20μm 3σ(条件付きで15μm 3σ)へと改善されたほか、光学系の進歩によってダイサイズも従来の0.3~8mmから、0.3~15mmへと拡大(チップ厚も75μm以上から50μm以上へと薄型に対応)。従来機では保証していなかったPF精度についても20μm 3σ(条件付き15μm 3σ)とするなど、高精度化を実現したという。

加えて、操作のためのユーザーインタフェースをタッチパネルをベースとしたものへと変更(マウス操作も可)。使いたい機能などを直感的に使える誘導型ウィザードや調整メニューなどが用意されているほか、チップのウェハ上の座標データとワークデータの連動や検査データグラフと画像表示、稼働履歴やエラーデータの分析など、さまざまなデータ表示機能などによる稼働状況の容易な把握を可能としたとする。

なお、同製品の受注は2025年1月より開始される予定で、ピックアップ済みチップ認識やファーストチップ検出ミス・列飛ばし対策など、いくつかの主要機能については現行モデルのBESTEM-D510向けにも提供していくという。同社によると、BESTEM-D610は、12月11日~13日にかけて東京ビッグサイトにて開催される「SEMICON Japan 2024」のキヤノンブースにて実機展示され、稼働デモも実施される予定だという。