ヤマハ発動機は10月31日、車いす電動化ユニットの新製品「JWG-1」を開発し、2025年1月より車いすメーカー向けを中心に国内販売を開始することを発表した。
車いす電動化ユニットは、手動車いすに後付けで装着することで電動機能を付与するシステムユニットで、装着後は従来の普通型電動車いすと同様にジョイスティック1本での電動走行操作が可能となる。またモーターと制御システムを車輪のハブ部分に組み込んでいるため、装着したまま車体を折りたたむことも可能。また高い制御機能も確保しているため、手動車いすの特徴である軽い車体に電動モーターの駆動力を加えることで、手動操作に近い機敏かつ繊細な走行・動作が可能だとする。
ヤマハ発動機が車いす電動化ユニットのフルモデルチェンジを発表するのは、2015年の「JWX-1 PLUS+」および「ジョイユニットX PLUS+」以来、およそ10年ぶりとのこと。そんな新製品のJWG-1は、車いすユーザーや介助者の視点で機能を高め、自走操作部の液晶画面の見やすさ向上、介助用操作部への液晶画面追加およびレバースロットル採用など、ユーザビリティを向上させる変化が加わっている。
またユニット耐荷重量は125kgから160kgへと向上し、バッテリーも3.4kgから2.4kgへの軽量化を実現。タイヤ軸トルク性能についても25.3Nmから50.1Nmへと大きく向上させるなど、重量および走行性の面でもアップデートが行われた。
ヤマハ発動機によると、JWG-1は2025年1月から国内販売を開始したのち、4月には欧州で、9月には米国での販売開始を予定するなど、世界各国市場への導入も計画しているとする。また同製品は補装具対象品にあたるといい、国内販売の価格は41万7120円~(税込)を予定で、国内向けに年間5000台の販売を計画している。
同社は、2025年3月を最後に車いす完成車の販売を終了し、それ以降は電動化ユニットの専業メーカーとしてユニットおよびシステム部品の開発・製造に専念するとのこと。車いすメーカーをはじめとするパートナー各社との共創を強化し、電動化ユニットの供給と新たなビジネス領域の創造に取り組むとしている。