ヘアケア用品のウカ、物販事業の3年平均成長率は約28% コロナ渦のECサイト刷新が寄与

トータルビューティーサロンの運営とケア用品の販売を手がけるウカは、2020年のコロナ禍に自社ECサイトをリニューアルした。2020年度から2022年度までの3年間の物販事業の平均成長率は約28%だった。自社ECサイトからの売り上げが着実に伸びたことが寄与している。

同社は主要都市を中心にトータルビューティーサロンとケア用品のストアを15店舗展開している。以前からECサイトは設けていたが、店舗運営以外に人員を割くことができたコロナ禍に、大幅にリニューアルを行った。

リニューアルでは、「本物の技術、本物の感性、本物の気配り」というポリシーを、店舗だけでなくサイト上でも実感してもらえるようにこだわった。実際にサロンでスタッフが案内するように、商品の効果・効能を事実に基づいて掲載するほか、商品開発の背景も紹介している。2024年7月からはレビュー機能を搭載するなどアップデートを続けている。

▲uka scalp brash kenzan

店舗の運営と物販、両事業に注力しているため、それぞれの情報をどれだけ整理して配置するかもポイントだったという。

「安心して店舗予約ができることと、楽しみながら商品選びをすることが両立できるサイトにしなければ、UXはなかなか上がらない」(松岡大介CMO)と話す。

広告やインフルエンサーを起用したマーケティングは行っていない。見た目や雰囲気で新規顧客を大量に獲得するのではなく、良質な体験を提供し続けて、リピーターを増やしていきたい考えだ。

サロンの集客についても大手予約サイトを活用していないという。ブランドの認知拡大の方法は顧客の口コミや、ファッションや美容のメディアで取り上げられた記事が多い。

「われわれが1番提供したいのは、また体験したくなるサービス。それは店舗においても物販においても同じ」(同)と語った。

▲六本木の公園の横にある「uka park side suite」

毎月の店舗の予約はほとんど埋まっており、上質なサービスによるリピーターの獲得が実現できている。

物販においては、スタッフが直接商品を案内したいという思いから、店舗数を拡大したい考えはある。ただ、現状は主要都市への出店に留まっている。

自社のECサイトは全国の顧客に向けて商品やブランドの価値を発信する役割を担うため、今後も力を入れて取り組みたいとしている。