日研トータルソーシングは9月11日、9月9日に同社の半導体人材研修施設「熊本テクノセンター」にて、熊本県立水俣高等学校(水俣高校) 電気建築システム科の生徒22人向けに半導体実技研修を実施したことを発表した。
熊本県はソニーセミコンダクタソリューションズをはじめ、TSMCの日本製造子会社であるJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)が半導体工場の建設を進めており、半導体関連の企業を含めた工場の新設や増設が相次いでいる。その一方で、急速な半導体関連産業の拡大に伴う人材不足が懸念されており、大学や高校と民間企業などが連携する形での人材育成が加速する動きがでている。
そうした中、同社でも質の高い教育や研修の実施に向けて、2023年3月に熊本テクノセンターを「半導体教育」に特化した研修施設として拡張移転し、半導体製造装置で慢性的に発生する故障に対する調査から処置、改善に対応できる実践力を備えた人材の育成に、独自開発による2024年2月に特許を取得した半導体搬送演習装置を研修に取り入れるなどして取り組んでいるとする。
今回の研修は、2023年11月~2024年1月にかけて実施された熊本県教育委員会の協力のもと、熊本県立玉名工業高学の生徒に向けた熊本テクノセンターへの企業訪問や同校でのエンジニア派遣実習や、2024年2月に実施した熊本県内の高校教員向け半導体研修などといった産学連携の取り組みの延長線上に位置づけられるもので、熊本県教育庁と熊本県立水俣高校教員からの依頼を受ける形で、2025年度より全国で初となる「半導体情報科」を開設する水俣高学 電気建築システム科の生徒22人を対象とした半導体研修を行うことを決めたという。
当日は、同センターにて、半導体業界の役割や動向などについての説明を受けたほか、実際に行われている研修内容や研修設備の見学。加えて、半導体製造業務の基礎となる、半導体装置の維持管理業務の実習として、2グループに分かれる形で「半導体装置メンテンナス実習」ならびに「トランジスタを用いた自動点灯回路組み立て実習」を、実際に行われている研修内容をもとに、現場で使用される機器を用いた研修が行われたという。