ICT総研は8月30日、2024年度の生成AIサービス利用動向に関する調査結果をまとめたレポートを公開した。最近1年以内に生成AIサービスを利用した人は全体の29%にのぼった。

  • 生成AIサービス利用者数需要予測(出典:ICT総研)

    生成AIサービス利用者数需要予測(出典:ICT総研)

1年以内に生成AIサービスを利用した人は29%

2024年6月のWebアンケート調査によると、最近1年以内に何らかの生成AIサービスを利用した人は1243人(全体の29%)で、利用したことがない人は3047人。特に40代以下の回答者の過半数が利用経験があると回答した。全体の7割以上の人が生成AIを利用していないが、今後の普及が見込まれるという。

  • 生成AIサービスの利用率(出典:ICT総研)

    生成AIサービスの利用率(出典:ICT総研)

また、回答者4290人のうち29%が過去1年以内に生成AIサービスの利用経験があった。最も利用率が高かったのはChatGPT(OpenAI)で、全体の18.3%。次いでMicrosoft Copilotが8.9%、Gemini(Google Bard)が5.4%、DALL-E(OpenAI)が2.6%、MidJourneyが2.1%、Notion AIが1.9%、Microsoft Azure AIが1.5%、Adobe Fireflyが1.2%で、「その他」と回答した人は0.7%であった。

現在は生成AIサービスの利用が特定のサービス、特にChatGPTに集中していることが示された。Microsoft CopilotやGemini(Google Bard)も一定の利用者を有しており、生成AIサービスの多様性は今後さらに広がるとICT総研は予想している。

  • 生成AIの利用サービス名(出典:ICT総研)

    生成AIの利用サービス名(出典:ICT総研)

最も満足度の高い生成AIサービスは「Adobe Firefly」

主な生成AIサービスの利用者満足度を100点満点で換算すると、Adobe Fireflyの満足度が最も高く75.8ポイント。次いで、DALL-E(OpenAI)が71.6ポイントで2位、MidJourneyが71.0ポイントで3位、Microsoft Azure AIは70.2ポイントで4位、Gemini(Google Bard)とその他のサービスがともに69.8ポイントで5位、Notion AIが69.0ポイントで7位、ChatGPT(OpenAI)が68.1ポイントで8位、Microsoft Copilotが67.0ポイントで9位となっている。

Adobe Fireflyのようなクリエイティブな作業に特化したサービスが有用なサービスが評価が高い傾向にあり、DALL-E(OpenAI)やMidJourneyといった視覚的な生成AIツールも安定した支持を受けていることが示された。

生成AIサービスに関する情報収集について、最も多くの人が情報を得ているのはソーシャルメディアで利用率は42.0%。次いでニュースサイトが39.0%、専門書籍や論文が20.2%、セミナーや講演が19.0%。友人や同僚からの情報を参考にする人は17.2%、オンラインコースを受講している人は12.2%。

また、「その他」は1.4%で、「特になし/情報収集を行っていない」と回答した人は22.0%にのぼった。生成AIサービスに関する情報は主にソーシャルメディアやニュースサイトを通じて収集されていることがわかる。また、専門書籍やセミナーを通じた深い知識の収集も一定の割合で見られ、専門性の高い情報を求める層がいることが分かった。