アークエッジ・スペースは8月1日、人工衛星の姿勢および軌道を制御するための基幹部品である姿勢決定制御サブシステム「ADCS(Attitude Determination and Control Subsystem)」について、性能と経済性を両立する国産化システムの開発を完了したことを発表した。

  • 開発を完了した3U~6U衛星用低価格版ユニットと6U~12U衛星用高精度版ユニット

    国産化開発が完了した3U~6U衛星用低価格版ユニット(左)と6U~12U衛星用高精度版ユニット(右) (出所:アークエッジ・スペース)

同社は、超小型人工衛星の開発を中心とする複数の人工衛星生産体制を有し、超小型人工衛星のほか、地上局整備や関連部品の設計・製作などのハードウェア事業を展開しているベンチャー企業。今回開発が進められた同システムは、経済産業省の委託事業「宇宙開発利用推進研究開発(小型衛星コンステレーション関連要素技術開発(軌道・姿勢制御技術(うちADCS統合ユニット)))」として同社がとりまとめ、セーレン、三菱プレシジョン、シナノケンシ、コシナ、イメージ・テック、宇宙システム開発利用推進機構、東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 中須賀・船瀬・五十里研究室が連携する形で製品化された。

6Uサイズなどの小型衛星に搭載できるよう設計されており、高度な姿勢制御が必要となる地球観測や広帯域通信向け小型衛星に適した高精度ユニットと、IoTデータ収集に向けて経済性を高めた汎用型ユニットとしてそれぞれ最適化されており、同社でも今後、自社の小型衛星コンステレーション構築などに積極的に活用していきたいとしている。