ソシオネクストは7月31日、2024年度第1四半期(2024年4-6月)の決算発表を行った。

それによると、売上高は前年同期比14.1%減の527億8300万円、営業利益は同1.5%増の102億6500万円、純利益は同4.8%減の75億7400万円となったという。

  • ソシオネクストの2024年度第1四半期の決算概要

    ソシオネクストの2024年度第1四半期の決算概要 (出所:ソシオネクスト、以下すべてのスライド資料同様)

また、売上高を製品とNRE、その他で分けると、量産段階で受け取ることとなる製品売上高は同20.1%減の423億円、設計開発に要する費用を段階的に受け取るNRE売上高は同23.1%増の103億円、その他は同24.0%増の2億円となった。

  • 四半期ごとのセグメント別売上高・営業利益推移

    四半期ごとのセグメント別売上高・営業利益推移

製品の売上高が前年同期に比べ106億円減となっているが、中国の5G基地局向け商談における特需が終了したことを中心とする中国市場向けの売り上げが落ち込んだほか産業向け、民生向け関連も弱含んだ結果だとしている。ただし、円安に進んだ為替影響が43億円のプラス要因となったともしている。営業利益については、製品の売り上げ減に伴う影響が11億円ほど、ならびに研究開発費および販売管理費の増加が18億円ほどあったが、NREの売り上げ増による10億円の押し上げならびに、円安による為替影響による21億円の押し上げのほか、間接的な原材料価格の改善などもあり、営業利益率は同2.9ポイント増の19.4%、営業利益そのものも同2億円増の103億円となったとしている。

売上高の内訳をアプリケーション別で見ると、データセンター関連が若干減少し、オートモーティブ系が伸びているとする。同社の売り上げの先行指標ともなるNREについても、オートモーティブが51%と過半を占める規模となっているが、データセンター関連については、市場が減速しているわけではなく、第2四半期以降で伸びていくことが見えているとしている。

  • アプリケーション別売上高推移
  • アプリケーション別売上高推移
  • アプリケーション別売上高推移

国・地域別で見ると、売上高比率は米国が13%、中国が34%、日本が44%、その他が9%となっているが、今年度の中国市場は30%程度で推移し、徐々に米国の比率が高まっていくとしている。

  • 国・地域別売上高推移
  • 国・地域別売上高推移
  • 国・地域別売上高推移

プロセス別で見ると、3-7nmの先端プロセスが39%を占めている。NREのみで見ると、3-7nmだけで85%を占めており、3-5nmだけでも52%を占めるとのことで、今後もこうした先端プロセスのニーズが高まっていくとの見通しを示している。

  • プロセス別売上高推移
  • プロセス別売上高推移
  • プロセス別売上高推移

このほか、設備投資については、レチクルならびにIPマクロへの投資が、開発進行のスケジュールの都合上、購入が少なかったとするが、第2四半期以降、先端プロセス製品の開発が加速していくのに併せて、高まっていくとしている。

なお、同社では通期見通しについて、2023年度決算発表時点の売上高2000億円、営業利益270億円、純利益195億円を据え置くとしている。