Micron Technologyは7月16日(米国時間)、データセンター向けメモリフォームファクタ「MRDIMM(Multi-Ranked DIMM)」のサンプリング提供を開始したことを発表した。

MRDIMMは、DIMMスロットあたり128GB以上のメモリ容量を必要とするアプリケーション向けに、現行のTSV RDIMMを上回るパフォーマンスを提供するもので、メモリチップとしてはDDR5標準規格品を採用しつつ、コア当たりの帯域幅と容量を拡張している。そのため、RDIMMと比較して実効メモリ帯域幅が最大39%拡大、バス効率が15%向上、レイテンシがRDIMMと比較して最大40%低減できるとしている。

製品としては、32GB、64GB、96GB、128GB、256GBを用意。1Uおよび2Uサーバに適しているとしており、縦長(TFF)モジュールでは、熱設計が改良され、同じ電力と風量でDRAMの温度を最大20℃低減でき、データセンターでの冷却機能を効率化することで、システム全体の電力量の最適化を可能とするとしており、その消費電力枠についても、32GビットDRAMダイを採用する256GB TFF型MRDIMMと、16GビットDRAMダイを採用する128GB TFF型MRDIMMが同じとしながら、256GB TFF型MRDIMMを仕様することで、最大データ転送速度で同容量のTSV RDIMMと比べると35%の性能向上を提供するという。

このMRDIMMシリーズの第1世代品についてはIntelのXeon 6プロセッサ互換となる予定で、量産出荷は2024年後半となると同社では説明している。また、MRDIMMの後継製品でも同世代のRDIMMを最大45%上回るチャネル当たりメモリ帯域幅の実現を見込むともしている。

  • MicronのMRDIMM

    MicronのMRDIMM (出所:Micron)