米国が対中輸出規制を敷いている中で、NVIDIAが2024年に中国でAIチップを販売する見込みだという。

中国ビジネスの鈍化に懸念を示すNVIDIA

NVIDIAは米国の対中輸出規制を回避する新型「H20」チップを設計、これを今後数カ月で100万個以上を中国に出荷する予定とのこと。

この業界を専門とするコンサルティング会社であるSemiAnalysisは、NVIDIAが出荷する100万個は、Huaweiの「Ascend 910B」の約2倍の規模と指摘している。

H20の価格は1万2000ドル~1万3000ドルで、合計すると120億ドルの売り上げにつながるという試算だ。SemiAnalysisなどによると、新型H20はNVIDIAが米国で販売するチップと比較すると性能は劣るものの、中国の顧客からは好評だという。

HuaweiのAscend 910Bと比較すると理論上は下回るが、メモリパフォーマンスが優れるなど先行している、とSemiAnalysisのDylan Patel氏はコメントしている。

輸出規制前の2021年、中国市場はNVIDIAの総収益のうち、4分の1以上を占めていたとのこと。NVIDIAの創業者兼CEO、Jensen Huang氏が5月の決算時に、中国でのビジネスが過去のレベルを大幅に下回っているという懸念を示していたことも報じている。Financial Times(FT)が7月4日付で報じている。