次世代エアモビリティである空飛ぶクルマの開発・製造を行うSkyDriveと、東急、タイのサハグループの中核企業であるサハ・パタナ・インターホールディング(SPI)の3社は6月28日、タイ王国における将来的な空飛ぶクルマを用いた事業実現可能性調査のための基本合意書を同日付で締結したことを発表した。
東急とサハグループは2014年、タイの首都バンコクからら南東約100kmに位置し、周辺には製造業を中心とした日系企業が集積しているチョンブリ県シラチャ郡における日本人向け賃貸住宅事業を推進する合弁会社「サハ東急コーポレーション」 を設立し、協力して事業を展開してきた。また、シラチャはタイ政府が産業誘致を進めるEEC(東部経済回廊)内にも位置するなど、今後も日系企業をはじめとする工業団地への進出などの期待から、さらなる発展が見込まれているが、シラチャに限らずタイ国内では自動車による交通渋滞や排気ガスによる環境汚染が深刻な社会課題となっており、渋滞の緩和や環境への配慮から、多様な移動手段の活用が期待されるようになっている。
今回の合意は、そうしたタイの状況を踏まえ、シラチャにおいて新産業誘致に伴う関連企業の集積や就労人口、居住人口の増加による不動産サービス需要の拡大を目指しているサハ東急、消費財事業、食品・飲料事業、工業団地開発およびその他新規事業への投資事業を行い、持続可能なビジネスの価値向上を目指すSPI、「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに掲げ、アジア地域においても「日常の移動に空を活用する」未来の実現を目指すSkyDriveの3社の意思が合致したことを踏まえたもの。同合意に基づき、今後3社は、シラチャを出発点とし、パタヤ、プーケットなどにおいてSkyDriveが開発を進めている空飛ぶクルマ「SKYDRIVE (SD-05)」を活用したユースケースを検討していくとしているほか、これらのユースケースを日本に逆輸入する形で、東急グループの街づくりにおけるエアタクシー事業の検討などにもつなげていきたいとしている
なお、サハ東急では、これまでのタイにおける事業で獲得した日系企業をはじめとするネットワークを活用し、SkyDriveのタイ進出ならびにSPIとの連携をサポートし、推進主体として同事業をはじめとする新産業の誘致に伴い増加することを見込む拠点整備や、従業員の生活環境などの場面において不動産サービスの提供を実施するとしているほか、SkyDriveのような新たな産業との連携をきっかけに、他業種との連携を加速し、タイにおけるさらなる地域経済の振興と向上を目指すとしている。