「意図しないメルマガは削除する」が62.2% メルマガの利用動向を調査

ユミルリンクとライトアップはこのほど、2023年のGmailの「メール送信者のガイドライン」が更新を受けて、ユーザーがどのようなメールマガジンを迷惑メールとして報告するのかについて共同調査を実施し、その結果を公開した。「登録した覚えのない」ことを理由に、メールマガジンを迷惑メールとして扱う人が56%いることなどがわかった。

2023年10月にGmailの「メール送信者のガイドライン」が更新され、1日あたり5000件以上のメールを送信する場合、個人用Gmailアカウントにメールを正常に送信、配信するために満たすべきいくつかの要件が設けられた。

送信者のGmailに報告される迷惑メール率もその1つに含まれ、迷惑メール率が0.3%以上の場合、配信したメールの受診が拒否される、受信者の迷惑メールフォルダに振り分けられるなど、正しく配信されない場合があるとしている。

この改定を受け、ユミルリンクとライトアップは、ユーザーがどのようなときにメールマガジンを迷惑メールに分類するのか、共同調査を実施した。調査期間は、2024年4月15日~4月16日、調査地域は全国で、企業やブランド、店舗などのメールマガジンを登録している20歳以上の男女を対象に実施し、1138人から有効な回答を得た。

自身が意図しないメールマガジンを受け取った場合、どのような行動をするかをたずねた問い(複数回答)では、「メールを削除する」が62.2%ともっとも多く、「メールを配信停止する」(43.1%)、「無視する、特に何もしない」(34.4%)と続いた。「迷惑メールフォルダに入れる、迷惑メールとして報告する」と回答した人も25.6%いる結果となった。

メールマガジンを迷惑メールフォルダに入れたり、報告したりする理由をたずねた問い(複数回答)では、「登録した覚えのないメールマガジンだったから」が56%ともっとも多く、先の設問と合わせ、「受け取りたくない」とユーザーに思われるメールマガジンは、迷惑メールと判断されていることが分かるとしている。

一方で、「メールマガジン内の配信停止リンクを押したくなかったから」(29.6%)、「メールマガジン内から配信停止ができなかったから」(24.1%)、「メールマガジン内から配信停止するのが面倒だったから」(23.4%)、「配信停止したいときは基本的にこの方法をとっているから」(15.1%)の回答から、配信停止にするために迷惑メール扱いにする人も多いこともうかがえるとし、メールマガジンの迷惑メールフォルダ入り・報告を避けるためには、オプトイン・オプトアウトの分かりやすさが重要なことが読み取れるとの見解を示した。

メールマガジンを配信停止するのはどんなときかをたずねた問い(複数回答)では、「自分に興味のない情報ばかり届いたとき」が81.1%ともっとも多く、「配信頻度が多いと感じたとき」が52.3%と続いた。これらの結果から、リコメンド機能などでパーソナライズされた情報を受け取ることが多い昨今では、メールマガジンの内容に注意が必要なことがわかるとしている。

メールマガジンを「迷惑メールだ」と判断するときの基準をたずねた問い(複数回答)では、「日本語や文章が不自然」が56.0%ともっとも多かった。その他、プトインに関する「送られてきた内容に心当たりがない」が53.2%、「自分が利用していない、登録した覚えがないサービスである」が47.3%、さらに「配信頻度が多い」が43.6%と表を集めており、オプトインの分かりやすさと配信頻度については注意するべきだということがわかる結果となった。

同じ企業からのメーるマガジンに対し、配信頻度が多いと感じるのはどのくらいかをたずねた問いでは、「1日2~3通」の配信に対して「多い」と感じるユーザーが全体の33.8%ともっとも多く、「1日1通」(25.5%)が続いた。この結果から、配信頻度は1日1通までに抑えるべきだと考えた方がよいだろうと推察している。

メールマガジンの配信を停止したいと感じたとき、配信元の企業やブランドへの印象が変わるかをたずねた問い(複数回答)では、38.5%が「好感度が下がった」、35.6%が「苦手になった」と回答しており、迷惑メールフォルダに入れられる・報告されることを避けるためだけでなく、ブランドイメージを守るためにも、メールマガジンの内容や配信ルールを改めて考えることが大切だとしている。

メールマガジンにどのような内容があると登録を続けたいと思うかをたずねた問いでは、、「クーポン・セール情報・限定販売や先行情報」が52.4%、「自分にとって役立ちそうな情報」が48.0%、「ポイントに関する情報」が46.8%となり、ユーザーにとってメリットがある内容が好ましく思われていることが分かる結果となった。

メールアプリの受信一覧を見て、メールマガジンを開封・閲覧するのはどのようなときかをたずねた問い(複数回答)においても、「クーポン・セール情報だと分かったとき」が53.5%、「自分にとって役立ちそうな情報だとわかったとき」が40.4%と上位となり、登録を続けたいと思うメールマガジンの内容との相関関係がわかる結果となった。

受け取ったメールマガジンに良い印象を持つのはどんなときかをたずねた問い(複数回答)では、「文章の内容や雰囲気が良いと感じたとき」が43.1%ともっとも多く、「レイアウトなどが見やすいと感じたとき」(38.4%)、「デザイン性が良いと感じたとき」(35.9%)と続いた。見た目の部分も大きく影響しており、見やすさ・分かりやすさはもちろん、自社のブランドイメージに沿った適切なガイドラインを設けておくことも重要だとしている。

メールマガジンの閲読をきっかけにとる行動をたずねた問い(複数回答)では、「Webでクーポンを利用する」が41.8%ともっとも多い結果となった。「気になった商品やサービスをWebで購入・申し込みする」が36.3%、「気になった商品やサービスを店舗に見に行ったり、購入・申し込みする」が35.3%の回答を得ており、2023年時の調査結果と同様に、Webでの購入につながりやすい傾向があることがわかる結果となった。

メールマガジンをきかっけに1回の買い物の最大購入金額をたずねた問いでは、2023年の調査結果と同様に、EC・店舗とも「2000円以上4000円未満」が最多となった。4000円以上の購入は店舗よりもECが優勢になっており、高額な商品の購入は検討に時間がかる、より安く買えないかECサイトで比較するといった理由から、Webでの決済が多くなると推測。反対に手頃な金額のものであれば、その場で判断を下すことが多いと考えられるとしている。

今回の調査を受け、ユミルリンクとライトアップは、ユーザーの「メールマガジンを迷惑メールフォルダに入れる・報告する」場合のリアルな動向が見えてきたとし、迷惑メールフォルダに入れたり報告したりするのは1クリックでできるため、とりわけ若い世代は気軽な感覚で利用していると考えられるとの見解を示した。

迷惑メールとして処理されるのを避けるには、オプトインの明示とオプトアウト手続きの簡略化が必要不可欠となってくるだろうとし、配信停止も痛手ではあるものの、メールが届かないことのほうが影響は大きくなるとした。

一方で、メールマガジンが購買行動につながること、メールマガジン経由での購入金額も高い傾向があることも分かる結果となったとし、本調査結果を参考に、迷惑メールとみなされないよう新たなルールに対応し、ユーザーに好まれるメールマガジンの制作を呼びかけた。

本調査の結果の完全版は、申し込みフォームからダウンロードできる。