味の素とライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは6月6日、人々の暮らしを見つめ、そこから新しい商品を考える「暮らしの素プロジェクト」を開始すると発表した。クラシコムの持つ「北欧、暮らしの道具店」で培ったD2Cビジネスのノウハウと、味の素の持つブランド力・商品開発力を活かして協働するで、ターゲットとの強い繋がりのある商品の企画開発を目指す。
”Eat Well, Live Well.”をコーポレートスローガンに、アミノサイエンスで人・社会・地球のWell-beingに貢献する味の素と、ライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」において、雑貨や衣類などの開発・販売、メディア運営などを展開するクラシコムはこのほど、人々の暮らしを見つめ、そこから新しい商品を考える「暮らしの素プロジェクト」を開始した。
今回のプロジェクトでは、味の素の商品開発リソースを活用しつつ、クラシコムのプロセスに沿って商品を企画開発する。2024年6月より両社が協働でマーケティングを行い、開発された商品はクラシコムの「北欧、暮らしの道具店」等で販売する予定。
「北欧、暮らしの道具店」では、D2Cビジネスで蓄積したノウハウを活用し、2014年から「BRAND SOLUTION(ブランドソリューション)」として、200以上のブランドの企業マーケティング支援を行っている。その中で、味の素とも2018年からさまざまな商品のプロモーションの取り組みを行っていた。今回は協業の範囲を拡大し、マーケティングプロジェクトとして、ターゲティング・商品の企画開発からその検証まで、さらに幅広い取組みを行う。
プロジェクト始動にあたり、味の素は社内公募でメンバーを募集する他、食品表示等のレギュレーションに関する監修も行う。クラシコムからは、デザイナーや商品の企画開発担当がメンバーとして参加し、顧客に寄り添う企画開発や新商品パッケージデザイン等のクリエイティブディレクションを主導する予定としている。
今回のプロジェクトは、顧客(生活者)と直接繋がり、商品の企画開発や販売を行うD2C戦略を推進する味の素の「Pond構想」の一環として始まったもので、味の素は本プロジェクトにより、新たな視点での商品の企画開発ノウハウの蓄積を目指す。一方、クラシコムは、これまでの広告事業で蓄積したノウハウをもとにクライアント企業への支援領域の拡張を目指す。
プロジェクトの開始に先立ち、5月29日に味の素本社にて、社員を対象にプロジェクトメンバーを募集するためのコンセプトを説明するセッションを実施。それぞれの会社が思いを語り、オンラインを含めて約100名が出席した。
プロジェクト概要の説明の後、味の素 執行役常務 岡本達也氏と、クラシコム 代表取締役社長 青木耕平氏のトークセッションを開催し、岡本氏が顧客との距離を縮めるマーケティングを模索する中で、「北欧、暮らしの道具店」のYouTubeに出会い「これだ!」と思ったというエピソードや、クラシコムのスタッフ自身が「心のもやもや」と向き合うことから始める独自の商品開発手順など、協働プロジェクトに至った経緯や展望を語った。
クラシコム 代表取締役社長 青木耕平氏は、「2014年からさまざまな企業様とご一緒する中で、すでにつくられた商品についてのプロモーションだけではなく、もっと前の、何をするべきか、どんな商品を作るべきか?という点から一緒に考えてほしいという要望は頂いていました。ただ、やみくもに始めることはできず、信頼できる企業様と実験的に取組むことができればと考えている中で、さまざまなお取組みをご一緒している味の素様と今回のお話を進めることができ、とても嬉しく思っています」と述べた。
味の素 執行役常務 岡本達也氏は、「弊社はお客様との距離を本当に縮めたいと思っています。オウンドメディアでは10年かけてすごく縮まった部分もたくさんあります。ただ、私たちはマニュファクチャラーであり、商品を開発するという意味ではなかなか難儀している点がある。その点で、クラシコム様のものづくりは素晴らしく、ご一緒することで、私たちもさらにお客様との絆をつくり、新たな価値を提供できるのではと期待しています」とコメントした。