フリマ大手のメルカリは5月22日、商品の販売価格を決めずに出品できる新機能「価格なし出品」を発表した。

価格を設定せずに出品された商品の金額は「???」と表示され、ほかのユーザーが購入価格の提案を行うといった仕組み。出品者が価格提案を承諾すると、その価格で販売が開始される。提案価格に納得しない場合、拒否することもできる。価格を依頼した購入検討者以外も商品の購入が可能だ。

  • 商品の販売価格を決めずに出品できる新機能「価格なし出品」

    商品の販売価格を決めずに出品できる新機能「価格なし出品」

同日の記者説明会に登壇したメルカリ Product Core Team Directorの菱井康生氏は「新機能の提供を通じて、価格設定に悩まず誰でも手間なく簡単に出品できる世界を目指す」と語った。

  • メルカリ Product Core Team Director 菱井康生氏

    メルカリ Product Core Team Director 菱井康生氏

メルカリの調査によると、ユーザーの約6割がメルカリで出品する際の値決めが面倒と感じているという。ユーザーからは「売りたい不用品は大量にあるが、適切な相場を検索しながら出品すると時間がかかり途中から諦めた」、「ジャンク品や(ワイヤレスイヤホンなど)片方しかない商品など市場価格を参考にできない商品について、価格を付けることが難しかった」といった声が寄せられている。

  • 値決めが難しい一部商品の例

    値決めが難しい一部商品の例

今回発表された新機能により、ユーザーが価格設定に悩まずに出品しやすくなる。また購入者も納得する金額で購入できるため、「不用品を手放すチャンスが増え、モノの循環がより加速される」(菱井氏)とのことだ。

  • 「価格なし出品」機能 利用方法

    「価格なし出品」機能 利用方法

日本国内のリユース市場は年々拡大している。サイクル通信の調査によると、2021年の市場規模は約2.7兆円で、2030年には4兆円に達する見込みだ。また、2023年にメルカリが日本全国の家庭に眠る「かくれ資産」の総額を算出したところ、約66兆円と推計された。

  • 日本全国の家庭に眠る「かくれ資産」は総額約66兆円

    日本全国の家庭に眠る「かくれ資産」は総額約66兆円

出品意向はありつつも実行できていない層も少なくない。メルカリの月間利用者数は2283万人だが、同社の試算によると、「今より出品しやすくなれば出品したい」と考えている未出品の人は3610万人に上るという。

「価格設定の課題解決だけでなく、UXやUIの改善、梱包や発送などの出品プロセスなどの効率化にもメスを入れ続ける。誰でも面倒や手間を感じることなく、簡単に売れる、そして何でも買える世界を実現指定していく」(菱井氏)