BBソフトサービスは4月26日、ネット詐欺専用のセキュリティソフト「詐欺ウォール」の検知エンジンを強化するために調査・収集しているインターネット詐欺サイトを分析したレポート「インターネット詐欺リポート」の2024年3月度版を公開した。同レポートでは、三菱UFJ銀行とメルカリのフィッシング詐欺が増加している点を取り上げている。

  • (左)三菱UFJ銀行のフィッシングサイト/(右)メルカリのフィッシングサイト

    (左)三菱UFJ銀行のフィッシングサイト/(右)メルカリのフィッシングサイト

3月は三菱UFJ銀行とメルカリのフィッシングサイトが急増

3月は三菱UFJ銀行とメルカリのフィッシングサイトが急増し、三菱UFJ銀行は実数で30倍、メルカリは実数で6倍に増加したという。両ブランドとも「お取引を制限します」といった内容で偽サイトにログインをさせて個人情報を詐取するフィッシング詐欺の手口が多く、どちらも規則性なく大きく上昇しており、今後もさまざまなブランドにおいて注意が必要だと指摘している。

最新の情報ではTEPCOの料金未納をうたいログイン情報を詐取する手口のフィッシングサイトが急増し、3月に急増したメルカリは直近でも増加傾向。また、警視庁のフィッシング詐欺も確認されており、手口としては「逮捕状が出ている」「口座が悪用されている」といった文言で偽サイトに誘導するものだという。4月には検察庁の詐欺サイトも確認されるなど、官公庁を装ったフィッシング詐欺への注意を呼びかけている。

  • (左)TEPCOのフィッシングサイト/(右)警視庁の詐欺サイト

    (左)TEPCOのフィッシングサイト/(右)警視庁の詐欺サイト

フィッシングサイトのブランドランキング

フィッシングサイトのブランドランキングとしては、3月度の1位はイオンカード、2位は三菱UFJ銀行となり、直近でも増加傾向にあるTEPCOやメルカリもランクイン。数カ月間上位にランクインしていたETCやえきねっとといった交通系のフィッシングサイトは減少しているが、ブランドの増減には規則性がないためどのブランドでも注意が必要だという。

フィッシングサイトのカテゴリ別構成比では、3月度は銀行とECサイトカテゴリの構成比が上昇。銀行は三菱UFJ銀行の報告数が増加したことにより実数ベースで増加しており、ECサイトはメルカリが実数で増加した影響で構成比も増加。携帯キャリアはSoftBankが減少したことにより減少している。

  • 3月度のフィッシングサイトブランドランキング

    3月度のフィッシングサイトブランドランキング

また、3月度に詐欺ウォール利用者が遭遇している詐欺サイトのトップ3は、1位がApple ID、2位がMastercard、3位が三菱UFJ銀行となった。

同社はフィッシング詐欺被害防止のポイントとして、「メールやSMSで案内されたURLが正規のURLか確認する」、「個人情報やクレジットカード番号の入力を促すメール・SMSに注意する」、「ログインID・パスワードの使い回しを控える」、「セキュリティソフトやネット詐欺専用ソフトを導入する」といった内容を挙げている。