武田薬品、アステラス製薬、三井住友銀行は4月22日、日本発の革新的な医薬品の創出に向けた創薬シーズのインキュベーションを行う合弁会社の設立に関する基本合意契約を締結したことを発表した。
合弁会社の概要
合弁会社の社名は未定で、所在地は湘南ヘルスイノベーションパーク(神奈川県 藤沢市)の予定。資本準備金を含む資本金は約6億円。出資比率はそれぞれ武田薬品33.4%、アステラス製薬33.4%、三井住友銀行33.2%だ。
合弁会社の事業内容
今回設立する合弁会社は、グローバルの医薬品市場への日本発の革新的な創薬アイデアの展開、グローバルで競争力のある創薬技術のインキュベーションとアントレプレナーシップ(起業家精神)の育成、スタートアップ企業の創出による創薬エコシステムの活性化に注力する。
3社は合弁会社の設立に加えて、武田薬品とアステラス製薬が培ったグローバル創薬研究開発のノウハウに基づいたサポートを合弁会社に提供し、新薬開発のオープンイノベーションや創薬シーズの社会実装の促進、革新的な医薬品開発を行うスタートアップ企業創出につなげる考え。
合弁会社設立の背景
近年、アカデミア発の技術を事業化する際に、アカデミア発の革新的な技術や創薬シーズが臨床応用まで効率的につながっていない、いわゆる「死の谷」が課題となっている。これに対し3社は、初期の創薬研究から創薬スタートアップ企業設立に至るまでを包括して担う合弁会社の設立に向けた協議を進めてきたという。