栃木県鹿沼市、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、カキヌマの4者は4月18日、「DXでやさしいまちづくりに向けた連携協定」を締結することを発表した。時代や環境の変化に対応し、市民協働や地域資源の活用を促進する。

連係の内容

4者は今後、6つの項目を中心に取り組みを進める予定。まずデジタル技術を活用した市民サービス向上として、市民がデジタル技術を理解して適切に活用できるよう、市民向けのスマホ教室などの機会を拡充して環境整備を図る。

全庁的な業務改革およびデータ利活用の推進に関しては、DX(デジタルトランスフォーメーション)やデータ利活用に関する知識やスキルの習得に向けた研修開催などを通じて、鹿沼市役所におけるデジタル人材の育成を推進。また、鹿沼市および地域事業者向けにビッグデータの収集と分析などを可能とするシステムを構築し、市民および観光客のサービス向上を目指す。

地域資源の活用と保全に関して、南摩ダム周辺施設の観光振興および環境保全の両立に向けたデジタル技術の活用を進める。

観光振興および移住定住促進に向けた情報発信としては、鹿沼市の観光や情報を効率的に観光客や移住希望者へ届ける仕組みを構築する。dポイントクラブの会員情基盤などNTTドコモのアセットを活用した情報発信の拡充なども図るという。

防災および災害対策に関することでは、避難所における通信手段の確保や携帯電話の充電設備の提供などに取り組む。市職員向けの防災訓練や子どもたちなどへの防災教室を開催予定。

その他、地域の活性化に関することとして、市民と事業者の両面から地域のキャッシュレスを推進するほか、「ドコモショップinショップ」の開設などにより、地域事業者と来店者をつなげて地産地消を促す仕組みづくりなども検討する。

取り組みの背景

鹿沼市は「花と緑と清流のまち 笑顔あふれるやさしいまち」を将来像に掲げ、デジタル技術を活用した暮らしの質の向上と、新たな価値の創出に向けた施策に取り組む。NTTドコモはデジタルデバイドの解消に向けたスマホ教室やモバイル通信を活用した災害対策などを通して地方創生への貢献を目指す。

NTT Comは市民生活の利便性向上に向けた地域独自のプラットフォーム構築やICTを活用した行政の働き方改革に取り組む。カキヌマはこれまで地域のICTサポート拠点として、デジタル活用支援事業への参画などを通してデジタル格差の解消に取り組んできた。

今回の協定においては、NTTドコモ、NTT Com、カキヌマがこれまでに培ってきた技術や知見を活用して、鹿沼市の持続可能な街づくり推進を支援するとのことだ。