シリコン結晶およびウェハメーカーである独Siltronicは、独ブルクハウゼン工場で行ってきた直径150mm以下の小口径ポリッシュド(鏡面研磨)ウェハおよびエピタキシャルウェハの生産を段階的に中止して行き、2025年末までに撤退すると発表した。

  • Siltronicの独ブルクハウゼン工場

    Siltronicの独ブルクハウゼン工場 (出所:Siltronic)

Siltronicは現在、主力の直径300mmならびに200mmウェハのほか、1990年代以前に開発された150mm以下の小口径ウェハの生産も継続して行っている。

SEMIの資料によれば、市場における150mm以下のウェハの占める割合は5%未満であり、Siltronicにとっても全体販売額の1ケタ%ほどと、今後も市場の拡大見込みはなく、直近の数カ月だけを見ても売り上げは減少傾向にあり赤字が累積しているという。これに対して300mmウェハは、年間平均6%の成長が予想されており、同社でも今後は、大口径ウェハの製造に注力するという。

SiltronicのCEOであるMichael Heckmeier氏は、「Siltronicにおけるウェハの生産は、1968年にブルクハウゼンで始まった。それ以来、ウェハ業界は構造変化と革新により大幅に進化し、需要はますます変化してきている。ウェハの大口径化や特性向上が進む一方で、小口径ウェハはライフサイクルの終わりに近づいており、生産量の減少が顕著であり、足元では収益にマイナスの影響を及ぼしているが、今後もこの傾向はさらに強まるものと思われる。このためSiltronicは、小口径製品の生産から2025年中に完全に撤退することを決定した」と述べている。