近畿大学(近大)は3月22日、福岡県飯塚市の福岡キャンパスに設置している産業理工学部 電気電子工学科にて、半導体に関する高度な知識や技術を持った人材育成に向けて、令和6年度(2024年度)より「半導体エレクトロニクスコース」を設置すると発表した。

同大の電気電子工学科では、これまで3年次以降に「応用エレクトロニクスコース」「エネルギー・環境コース」「情報通信コース」の3つから1つを選択し、より専門性の高い内容について学ぶカリキュラムを採用していたが、半導体人材育成ニーズの高まりを受け、これまでの応用エレクトロニクスコースを廃止し、新たに半導体エレクトロニクスコースへとコース名称を変更することにしたという。

同大産業理工学部は、令和5年度(2023年度)より「九州半導体人材育成等コンソーシアム」や九州半導体・デジタルイノベーション協議会に参画。そうした活動を通して、九州における半導体人材の不足に対応する教育の提供を目指し、検討を進めてきた結果、今回の新コース設置の決定に至ったとしている。

同コースでは、半導体工学や集積回路工学、電気材料物性、半導体エレクトロニクスなどの座学を必修科目とするほか、半導体製造企業のグローバル化に対応することを目的とした「テクニカル英語演習」の科目も開講。さらに、半導体製造工程を体験できる簡易なイエロークリーンブースや露光装置などを備えた「半導体デバイス製造実習室」も整備し、実習授業「半導体デバイス製造工程」も開講。座学での学びだけでなく、半導体デバイスを学生自身の手で製作することも可能とすることで、半導体の生産現場で活躍する技術者の育成を目指すとしている。

なお、同コースは、令和6年度(2024年度)の同大産業理工学部電気電子工学科の入学生から実施され、3年次のコース選択の際に約20名が対象になる予定としている。

  • 「半導体デバイス製造実習室」

    2024年2月に完成したイエロークリーンブースなどを備えた「半導体デバイス製造実習室」 (画像提供:近大)