TOPPANは3月14日、シンガポール共和国に高密度半導体パッケージであるFC-BGA(Flip Chip Ball Grid Array)基板の生産拠点を新設すること、ならびに現地法人「Advanced Substrate Technologies」を設立したことを発表した。
高密度配線を可能とするFC-BGAパッケージは、多ピンかつ高性能が必要とされる高性能プロセッサや高帯域幅が必要となる半導体などで活用されており、今後のデジタル化社会の拡大に向けて、ニーズの高まりが期待されている。同社は、従来の生産拠点である新潟工場の生産能力の拡大を進めているものの、パッケージ基板の大型化に伴う製造負荷が大きく、将来の需要増に対応するためにはさらなる生産能力の拡大が必要となっていること、ならびにBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の観点から、複数拠点での生産体制構築が求められており、今回、2拠点による生産体制を確立することを決めたとする。
シンガポールの新工場には、同社が新潟工場でこれまで培ってきた基板製造ノウハウや先端自動化ラインを導入することで、世界最高クラスの品質と歩留まりの実現を目指すとしており、この取り組みを通じて、2027年度までにFC-BGA事業で2022年度対比で2.5倍以上の生産能力拡大を目指すとしている。
なお、新工場の稼働開始時期は2026年末を予定。延べ床面積は9万5000m2で、同工場の設立に関しては、シンガポール経済開発庁およびBroadcomの支援を受ける予定だという。