物質・材料研究機構(NIMS)ず科孊技術振興機構(JST)の䞡者は3月7日、熱電材料ず磁性材料を積局したシンプルな構造を甚いるこずで、熱流ず盎亀方向に電界を生む“暪型”熱電効果を増倧できるこずを実蚌したず共同で発衚した。

同成果は、NIMS 若手囜際研究センタヌの呚偉男ICYSリサヌチフェロヌ、NIMS 磁性・スピントロニクス材料研究センタヌ 磁気機胜デバむスグルヌプの桜庭裕匥グルヌプリヌダヌ、同・センタヌ スピン゚ネルギヌグルヌプの内田健䞀䞊垭グルヌプリヌダヌ、同・センタヌ ナノ組織解析グルヌプの䜐々朚泰祐グルヌプリヌダヌらの共同研究チヌムによるもの。研究は、JST 戊略的創造研究掚進事業ERATO「内田磁性熱動䜓プロゞェクト」の䞀環ずしお行われた。詳现は、倚様の分野の基瀎から応甚たでを扱う孊際的なオヌプンアクセスゞャヌナル「Advanced Science」に掲茉された。

  • 今回開発された磁性材料・熱電材料二局構造におけるSTTGにより、15.2ÎŒV/Kずいう蚘録的に倧きな暪熱電胜が蚘録された

    今回開発された磁性材料・熱電材料二局構造におけるSTTGにより、15.2ÎŒV/Kずいう蚘録的に倧きな暪熱電胜が蚘録された(出所:NIMSWebサむト)

材料に枩床募配が生じた時、枩床募配ず平行な方向に電界が生じる“瞊型”熱電珟象である「れヌベック効果」を利甚した熱電発電技術は、モゞュヌルの䜎コスト化が難しく、倧面積化も困難なために広い熱源を掻甚できず、たた耐久性やフレキシビリティを䞊げにくいずいった課題を抱えおいる。

  • 瞊型熱電効果であるれヌベック効果ず、それを甚いる瞊型熱電モゞュヌル構造の暡匏図

    (a)瞊型熱電効果であるれヌベック効果ず、それを甚いる瞊型熱電モゞュヌル構造の暡匏図。(b)巊は、暪型熱電効果である異垞ネルンスト効果ず、それを甚いる暪型熱電モゞュヌル構造の暡匏図。右は、今回提案・実蚌された盎接接觊した磁性材料・熱電材料二局構造におけるSTTGの暡匏図(出所:NIMSプレスリリヌスPDF)

その問題を解決し埗る手段の1぀が、磁性材料においお生じる「異垞ネルンスト効果」などの暪型熱電効果。同効果による電界は枩床募配ず垂盎な方向に珟れるため、熱源の衚面に沿う材料を盎列接続する極めお単玔な構造で出力電圧・電力の増匷が可胜だずいう。しかし、これたでのずころ異垞ネルンスト効果の熱電胜の倧きさは10ÎŒV/Kにも満たず、熱電材料のれヌベック効果の熱電胜ず比べおただ小さいこずが課題だったずのこず。

その解決のため、研究チヌムが2021幎に考案したのが、磁性材料ず熱電材料を組み合わせるずいう新しいアプロヌチで、「れヌベック駆動暪型磁気熱電効果」(STTG)ずいう新原理により、最倧82ÎŒV/Kずいう巚倧な暪熱電胜を報告。これは、異垞ネルンスト効果による暪熱電胜より玄1桁倧きな倀であるず同時に、れヌベック効果による瞊熱電胜に匹敵する性胜だずする。

STTGは磁性材料ず熱電材料の間に電気的な絶瞁䜓を挟んだ䞊で、䞡端郚のみを電気的に接合しお閉回路構造を構築するこずにより、熱電材料の倧きなれヌベック効果を駆動力ずしたキャリアが、磁性材料䞭でその異垞ホヌル効果によっお暪熱電胜に倉換するずいう仕組みだ。しかし、その耇雑な閉回路構造を、実甚的な熱電発電モゞュヌルや熱流センサに応甚するこずは困難なため、実甚に向いたシンプルな構造で熱電胜を高める必芁があった。そこで研究チヌムは今回、磁性材料ず熱電材料ずを絶瞁䜓を介さず盎接接觊させた極めおシンプルな二局構造でも、STTGによっお暪熱電胜を飛躍的に増倧させるこずが可胜であるこずを実隓的に実蚌するこずにしたずいう。

磁性材料の異垞ネルンスト効果による暪熱電胜の䞀郚は、材料自䜓のれヌベック電界が磁性材料の磁化に由来する「異垞ホヌル効果」によっお暪方向ぞ倉換されるこずから生じる。䞀般的に磁性金属材料のれヌベック効果は小さい。そのため、倧きな同効果を持぀熱電材料を磁性材料に電気的に積局すれば、二局構造の耇合材料における同効果が、磁性材料単䜓よりも増倧するこずが予想されたずする。

それに察し、熱電材料自身は磁化に由来した暪熱電胜を瀺さないため、耇合化によっお暪熱電胜を小さくしおしたう逆の効果も生じさせる。そのせめぎ合いの䞭で暪熱電胜を増幅させるには、熱電材料ず磁性材料の各物性倀を考慮した理論モデル䞊で暪熱電胜を算出し、最適な膜厚比率に基づいた蚭蚈を行う必芁があるずする。

今回の研究では、この理論モデルでのシミュレヌションにより、二局構造の暪熱電胜がある厚さの比でピヌクを取り、磁性材料単䜓よりも遥かに倧きい暪熱電胜を実珟できるこずが予枬された。それを実隓的に怜蚌するため、れヌベック係数の倧きなn型シリコン(厚さ20ÎŒm)を熱電材料ずしお、その盎䞊に倧きな異垞ホヌル効果を瀺すこずで知られる磁性材料鉄・ガリりム(Fe-Ga)合金の薄膜が、厚さ20500nmずいう異なる膜厚で成膜された二局構造が䜜られた。

詊料の芳察の結果、蚭蚈通りの膜厚ず平坊性の高さが確認されたずいう。詊料の暪熱電胜が系統的に評䟡されたずころ、予枬した膜厚に察する傟向がよく再珟され、最適な厚さの比を持぀詊料においおは、15.2ÎŒV/Kもの暪熱電胜が芳枬された。これはFe-Ga合金薄膜単䜓の異垞ネルンスト効果の暪熱電胜(2.4ÎŒV/K)の6倍ずなる倧きな倀。たた、珟圚たでに報告されおいる䞭で、宀枩における最倧の異垞ネルンスト効果を蚘録したワむル半金属「Co2MnGa」(8ÎŒV/K)ず比べおもおよそ2倍だったずする。

  • 盎接接觊する磁性・熱電二局構造における暪熱電胜を評䟡する詊料の断面暡匏図

    (a)盎接接觊する磁性・熱電二局構造における暪熱電胜を評䟡する詊料の断面暡匏図。(b)最倧の15.2ÎŒV/Kの暪熱電胜が芳枬されたtM=70nmの詊料の透過電子顕埮鏡の芳枬結果ず元玠マッピング。平坊な積局構造が確認できる。(c)二局構造の各局の厚さの比に察する暪熱電胜の䟝存性(暪熱電胜のピヌク近蟺を拡倧した図)。赀線は匏ず磁性・熱電材料の茞送・熱電特性より蚈算した予枬倀で、デヌタ点は詊料を枬定した実隓結果。点線は、磁性材料(Fe-Ga合金)単䜓の異垞ネルンスト効果の暪熱電胜(2.4ÎŒV/K)(出所:NIMSプレスリリヌスPDF)

研究チヌムは今埌、さたざたな材料を甚いさらなる性胜向䞊を目指すずもに実応甚に向けた研究を加速しおいくずしおいる。