cover、タレントごとの個性あるグッズ展開で差別化 IPとインフルエンサー性を活用

バーチャルユーチューバー(通称ブイチューバー)のマネジメントおよびIP(知的財産)の管理、イベント運営を行うcover(カバー)が運営するECサイト「hololive production(ホロライブプロダクション)OFFICIAL SHOP」は、個性的なグッズ展開によって、他のブイチューバーマネジメント企業との差別化を図っている。所属タレントの記念日のアニバーサリーグッズをタレントごとに多様化させたりしているという。

ホロライブプロダクションは、所属タレントのユーチューブの総チャンネル登録者数が8500万人に上る大手ブイチューバー事務所だ。

 

所属タレントはバーチャルなユーチューバーであり、バーチャルな姿と、人格などのリアルな中身を兼ね備えている。そのため、「キャラクター」としてIPを活用できるだけでなく、「ユーチューバー」としてのインフルエンサー性も利用できる。グッズの販売にも、この両面が複雑に影響しあうのだという。

同社では、誕生日や、新しい衣装のお披露目など、記念日に合わせたアニバーサリーグッズの展開において、この両面性を活用しているのだという。

 

他のブイチューバー事務所のアニバーサリーグッズというと、音声メッセージ、アクリルフォトスタンドや缶バッジなどが多い。タレントごとにグッズの内容が変わることはあまりない。

一方でホロライブプロダクションでは、タレントごとに異なるグッズ展開を行うという。例えば、「落語家」というキャラクターづけを持つ、あるタレントの誕生日記念グッズには、缶バッジやアクリルフォトに加えて、「扇子」や「羽織型のタオル」がラインアップされている。タレントの独自性を打ち出すことで、ファンが「このタレントのグッズだから欲しい」「タレントらしさを感じられるから欲しい」と思うようになるのだという。結果としてグッズの売り上げの向上にもつながるとしている。

タレントごとに異なるグッズを出すには、毎回商品を企画する、労力や資金が必要になる。倉庫の管理も大変だというが、タレント一人一人にフォーカスしていく姿勢は、マネジメントの上でも、グッズ販売の上でも、変わらないという。

これまでは、アニバーサリー関連商品が主力だったが、他社とのコラボによる新商品も開発しており、現在販売を強化しているという。

海外展開のさらなる強化を目指して、物流体制の整備も進めているとのことだ。