月面探査車「YAOKI」を開発するダイモンは2月13日、月面探査車の開発で培った技術を活用する形で、地上の課題解決に向けた「天井裏点検ロボット」の開発に着手したことを発表した。
同ロボットは、高度経済成長期である1960年代に建設された老朽化したビルにおける天井裏など、人が入れない場所における配管の点検などを行う目的で開発されるもの。YAOKIを改良する形で開発が進められる予定で、これによりビルの定期的な点検作業の効率化を図ることを目指すとしている。
具体的な改良点としては、構造を2輪から4輪に変更することで、配管などの障害物を乗り越えることを可能とするほか、車輪そのものも耐熱樹脂から、弾性材などに変更することでグリップ力を向上。また、その車輪の形状についても、YAOKIの月面砂地走行に適した形状から、点検に適した形状に変更することで走行の最適化を図るともしている。さらに、月面探査用カメラから、広角カメラに変更し、立体把握センサーなども追加搭載することで、高い点検精度を実現するとしている。
なお、この天井裏点検ロボットは2024年内には開発を完了する予定で、販売先として、ビルのオーナー、管理会社、メンテナンス会社などを想定しているとするほか、将来的には「公共施設ビル」「マンション」「配管などのインフラ設備」など対象ビルの追加により、事業の拡大を図っていくとしている。また、今後については被災地救済ロボット、配管・廃炉点検ロボットなどへの応用も計画していくともしている。