NTTデータは2月8日、地銀共同センター参加行13行とともに、2028年1月に地銀共同センターに「統合バンキングクラウド」を適用することを発表した。4月より「統合バンキングクラウド」の開発に着手する。

  • 統合バンキングクラウドの概要

    統合バンキングクラウドの概要

「統合バンキングクラウド」とは?

「統合バンキングクラウド」は、NTTデータが構築するクラウド上に複数の共同利用型勘定系システムを搭載できるバンキング専用国産クラウド。インフラ、運用などすべてにおいて高い信頼性を有し、高いグリーン性能を有するサステナビリティにも考慮したとする。

2004年1月、地銀共同センターでサービス開始した勘定系アプリケーション「BeSTA」(ベンダーを特定しないNTTデータの標準バンキングアプリケーション)が20周年を迎えるのを機に、安心・安全・安価なバンキングサービスの提供を継続するため、地銀共同センターのオープン化と「統合バンキングクラウド」の開発に着手する。

NTTデータは、ミッションクリティカルシステムの支えとなるメインフレーム提供事業者ならびにその技術者の減少、半導体不足などによるハードウエア価格の高騰といった課題を解決すべく、「PITON」を中心に勘定系システムのオープン化の取り組みを進めてきた。1月4日、PITON適用による「MEJAR(NTTデータが構築・銀行が主体で運営する、地方銀行・第二地方銀行向け基幹系共同センター)」のオープン化が完了したことで、統合バンキングクラウド化に向けバンキングクラウド化の準備が整ったということだ。

他勘定系スキームをクラウド化するための実現性が担保できたことから、この取り組みをさらに一歩進め、安心・安全・安価に永続的なバンキングサービスを提供するための「統合バンキングクラウド」の開発に着手する。

永続的なサービス提供へ

NTTデータが自社データセンターにハードウエア・ミドルウエアなどを集約し、クラウドサービスとしてワンストップで提供することで、効率的な運用や金融機関の管理負担の軽減へ寄与するのに加え、永続的なサービスを提供可能となる。これにより、金融機関は勘定系システム以外の競争領域にリソースを集中させることでDX対応力を高めることができ、新たな顧客価値創出へとつなげられるという。

今回のPITONによる勘定系オープン化完了に続き、今後は2028年頃に統合バンキング、2030年頃にクラウド化の適用拡大検討クラウド提供という3段階で、NTTデータの提供する共同利用型勘定系システムを段階的に統合バンキングクラウドに搭載する計画だ。なお、「MEJAR」については2030年頃の適用をめざす。

  • 3段階でNTTデータが提供する共同利用型勘定系システムを段階的に統合バンキングクラウドに搭載

    3段階でNTTデータが提供する共同利用型勘定系システムを段階的に統合バンキングクラウドに搭載

加えて、STELLA CUBE、BeSTAcloudおよび、しんきん業態などの他業態への拡大を検討し、NTTデータの提供する共同利用型勘定系システムを段階的に統合バンキングクラウドに搭載し、日本最大のバンキング専用クラウドへと発展させる考えだ。