宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月18日、1月17日22時18分(日本標準時)に、小型月着陸実証機(SLIM)の月着陸に向けた第1回目の軌道高度変更(近月点降下マヌーバ#1、PDM1)を実施したことを発表した。

  • 月面着陸に挑む小型月着陸実証機「SLIM」

    月面着陸に挑む小型月着陸実証機「SLIM」 (C)JAXA

SLIMは1月14日に遠月点降下マヌーバを行い、月から高度約600kmの円軌道に到達。そこから今回のPDM1により高度約600km×150kmの楕円軌道へと軌道変更された。JAXAによると現時点で、正常に軌道高度変更が実施され、予定通りの楕円軌道に投入されたことを確認したとしている。

SLIMは、月への100mオーダーという高精度着陸技術の実証と、軽量な月惑星探査システムの実現による月惑星探査の高頻度化の2つの実現を目指して実施されているミッション。特にピンポイント着陸は、2000年代に打ち上げられた月周回衛星が撮影した高解像度な画像をもとに、月のどこにあるどういった岩石にアプローチしたいといった研究者ニーズに応えることを可能とする技術で、今後の月の水探査における、太陽光が1年を通してまったく当たらない永久影の境目に降り立つためにも実用化が求められている技術となる。

なお、今後の月着陸に向けたスケジュールとしては、1月19日22:40ごろに近月点を高度15km(遠月点は600kmのまま)まで降下させる第2回目となる近月点降下マヌーバ#2(PDM2)が行われた後、その結果を踏まえて1月20日午前0:00ごろに着陸降下を開始、同0:20ごろに月面へと着陸する予定となっている。

  • 月面着陸に向けたスケジュール

    月面着陸に向けたスケジュール (C)JAXA

JAXAでは、1月19日23:00よりJAXA相模原キャンパスにて月面着陸の運用を行ってる様子をJAXA YouTube公式チャンネル「JAXA Channel」にてライブ配信する予定としている